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「わーーひろーーーい！！」
「はしゃぎすぎや」
「だってだって！！！」
少し食べ歩きをしてから旅館に着いて、
部屋まで案内されるとあまりの広さに仲居さんがいるのも忘れて大興奮してしまう。
はしゃぐわたしも微笑みながら見て、一通り説明をしてくれた仲居さんが退室すれば、すぐに始まるルームツアー。
「藍！露天風呂ついてる！！」
「ついてるとこ選んだって言うたやん」
「畳きもちい〜〜！！」
「寝んといてな」
「きゃーー！！窓の外！みて！！」
「おお、すごい」
「Aちゃん、はしゃぐのもええけど荷物下ろして」
「藍が冷静だー」
「別にそんなんちゃう笑」
2人で荷物を下ろして、畳に座ってゆったりタイム。
「あ、藍くん運転ありがとうございました」
「いやほんまやで、言うの遅い」
「ごめんってえ」
「ちゅー1回で許したる」
んーーって唇を突き出す藍に、キスを1回。
するとそのまま肩を引き寄せられて、離してくれない。
「…ん、ん！んーー！！」
苦しくなって肩を叩けば笑いながら離れる藍。
ほんまにかわいい、
って優しい顔してわたしを見つめて言うから一瞬固まってしまって。
「すぐ照れるやん、え？笑」
わたしの顔を覗き込んで、顔真っ赤！ってケラケラ笑ってる。
「慣れてくれんと困るねんけど」
「むり」
顔を真っ赤にして即答するわたしを
「あー絶対離さん」ってぎゅっと抱きしめて、
そのままごろんとわたしごと畳に倒れる。
畳の上でわたしの髪の毛を弄んで、幸せやなってこちらを見つめて言う藍にどきどきして。
近づいてきて目配せをして、また唇が重なる。
だんだん深くなって、角度を変えて、何度も。
酸素を求めて口を開けるとすぐに彼の舌が入り込んできて、わたしのそれと絡まる。
「っん、ぅう、」
ちゅっ、と音を鳴らして離れると、ふたりの間に糸が引かれる。
既に物欲しそうな目でこちらを見つめ、首元に顔を寄せる藍を「だーめ」って阻止すると、しゅんってしつつも起き上がってわたしを起こしてくれる。
わたしを自分と向かい合わせに膝に乗せて、指を絡める。
「Aちゃんさ、」
「ん？」
「今日浴衣着るやんな」
「うん、用意してくれてたし」
「寝かせられへんかもしれん」
「ばかー！笑 星観たりするんでしょ！」
「お風呂は一緒やんな？」
「うん、そうだよ」
「よしじゃあ頑張るわおれ」
「…なにを？笑」
「……わからん笑」
たまにポンコツだったりするところも、かわいくて愛おしい。
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作者名：海松 | 作成日時：2024年1月21日 1時
