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Ep.13「Orpheus part : 2」 ページ26
横を抜けるフィディオの顔、体勢、その声。
それを見ていたら身体が動かなくなって。
ボールを奪われてしまった。いや、奪わせてしまった。
…避けられたはずなのに。そう、避けられたのに…
「何をぼんやりしてるの？Aちゃん」
その声で我に返った。そうだ、いまは試合中だ。
「…ごめんごめん。ただ、すごい技だなと思って」
「…そうだね。…さぁ！いこうか！」
その後も一進一退。
鬼道くんがなんとかカテナチオカウンターの突破口を見つけたみたい。
そして、前半終了のホイッスルが鳴った。
＊＊＊
監督にはぼんやりするなってお叱りを受けちゃった。
そうだよね、ここは世界大会…気を抜いてちゃダメだ…！
鬼道くんにも突破方法を教えてもらえたし、大丈夫！
今度こそかわせるよ…！
＊＊＊
後半開始のホイッスル。
向こうのコートには…あれは！
ヒデ・ナカタ！オルフェウスの本当のキャプテン…！
会えると思ってなかった…！
後半開始で、ヒデがすごく活躍して、また1点を決められてしまった。
やっぱりすごいなぁ、感心するよ。
フィディオも顔が生き生きしてるし…！憧れなんだね…！
そのあとは、カテナチオカウンターを破った鬼道くんが豪炎寺くんにパスをして…
虎丸くんとヒロトくんがそれについて行く。
「「「グランドファイア！！！」」」
その力強いシュートも決まって、1点取り返した！
あと1点、取り返していこう…！
オルフェウスとの試合は、すごく熱くなる試合だった。
残り5分まで、どちらも点を決めることはなかった。
そして、わたしにパスが回ってきた。
ここでわたしが決めなきゃ！と思ったら、もうすでに錠前に閉じ込められていた。
「カテナチオカウンター！」
フィディオが勝ち誇ったような笑みを見せてる。
でも…
「勝つのは、わたしたちだよ！」
鬼道くんに教えてもらったやり方で、回避する。
フィディオが驚いたような顔をして、わたしを見る。
ふふふ…
そして届け、わたしの想い…！
「ベガ・ライトニングV3！！！」
わたしの想いは、大きく弧を描いてゴールに突き刺さった。
それと同時に、試合終了のホイッスルが鳴る。
3-2で、オルフェウスに勝利した…！
フィディオは少し悔しそうだったけど、清々しい顔をしてた。
＊＊＊
その日の夜は、お疲れさま会をした。
わたしも好きなハンバーグもあったから、すごく嬉しかった！
会も終わって、部屋に戻ったらスマホが淡く光ってた。
『今から外出れないかな』なんて。
え…10分前…！？
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作者名：落葉このは | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ayakayukik2/
作成日時：2019年9月28日 23時
