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Ep.11「Seaside Walking」 ページ22
『いまから浜辺にこれないかい？』
その日の練習も終わって、
少し傾き始めた太陽の光が
差し込むにベッドに寝っ転がった瞬間。
急に届いた、1通のメッセージ。
どこかで待ちわびていた、その人からのその言葉。
「うん。いまからいくね」
＊＊＊
「ジ・エンパイアとの試合、凄かったね。完璧な指揮力だったよ。あのディフェンスを破るなんてさ」
「あはは…普段から試合とかよく見てたからね」
「Aと試合するの、すごく楽しみさ」
「わたしも、フィディオとの試合、楽しみだよ」
太陽が反射してきらきらしている海岸線を歩いていく。
どこまでも続きそうな、まっすぐな道。
わたしとフィディオの関係も、どこまでも続けばいいな…
「ねぇ、A」
「うん？どうしたの？」
「…なんでもない。…折角だしなにかご馳走するよ。日本の食べ物も気になるしね」
「日本の食べ物かぁ… 甘いものがいい？」
「それもいいね！案内してよ！」
「うん！」
＊＊＊
日本で甘いものと言えば…！
それはもう！あんみつだよね！
…って思うじゃん？わたしはねりきり派なんだ。
お抹茶といただくと、すごく美味しいんだよね…！
「へぇ…これが『ねりきり』…」
「お抹茶と一緒に食べてね。お抹茶はすごく苦いから、ねりきりの甘さはベストマッチだと思うよ」
苦い、ってきいたフィディオは少しひきつって、
おそるおそる口に運ぶ…
「…うん。美味しい…！」
「それはよかった…！」
それからまたすこし日本エリアを観光した。
歩けば歩くほど、本当に日本にいるみたいで安心した。
＊＊＊
日も完全に水平線にかかって、辺りはオレンジ色になった。
「今日は楽しかったよ、ありがとう。急なお誘いでごめんね」
「ううん！ちょうどいい息抜きになったよ。こちらこそありがとう！」
「お礼はいいよ。…じゃあ次は、フィールドで会おうね」
「うん…！」
じゃあね、ってフィディオは手を振って来た道を戻っていった。
なにか言いたげだったけど、どうしたのかな…？
海岸線の向こうに見える太陽は、もうずいぶん沈みかかっていた。
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作者名：落葉このは | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ayakayukik2/
作成日時：2019年9月28日 23時
