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Ep.10「Kick off with Kappa」 ページ20
「…ちゃん、Aちゃん、おきて」
「んん…もう朝〜？」
「どうやら昨日のカッパが一緒に遊んでほしいみたいだ」
ヒロトくんが目をやった先には昨日サインをあげたカッパが。
跳び跳ねて、こっちこっちって。
ついていった先は大きく広がっていて、
サッカーコートがあった。こんな森の奥に！？
「勝負か！おもいっきりやろう！」
＊＊＊
「…完全になめてたね」
「まさかこんなに強いとはね…」
点差は20点にもなってしまった。
わたしの必殺技は歯も立たないし、
フェイクボンバーが強すぎる。
なかなかかわせないし、どんどん点を決められてしまう。
「Aちゃん、どう攻略しようか」
「ん〜 仕掛けられる前に避ける！」
「…そうか、そうすればいいのか」
え！いま適当にいったのに！？
「ありがとうAちゃん、オレ点決めて見せるよ」
試合は再開した。
ヒロトくんはボールをもって走っていく。
「仕掛けられる前に…今だ！」
あれは…！昨日練習していたドリブル！
「流星ブレードV2！！！」
うまく2人をかわしてがら空きのゴールに
ヒロトくんは強力な1撃を叩き込む。
なんだか、カッパたちも嬉しそう…？
＊＊＊
「試合楽しかったよ、ありがとう」
んってカッパたちにもらったのは、きゅうり…？
「あっち」
指差された方には、きゅうりのトンネルが。
あそことおればいいんだね！
「わぁ！ありがと…って」
いない。さっきまでそこにいたのに。
「帰ろうか」
＊＊＊
「起こられるときは一緒だよ？ヒロトくん？」
「あぁ、なにも言わず一晩明かしてしまったからね…」
「やっぱり怒ってるかな… きゅうりうまっ」
宿舎に戻って、第一声。
「すみませんでした！！」
…しーん。
「えっ…」
「おかえりなさい！ほら、なくなっちゃいますよ！おかかおにぎり！」
「おかかおにぎり…？」
時間が、動いていない？
じゃああのカッパは？さっきまで食べてたきゅうりは…？
…でも、謎は謎のままでいいものも、あるのかもしれない。
おかかおにぎり、すごくおいしかった。
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作者名：落葉このは | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ayakayukik2/
作成日時：2019年9月28日 23時
