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Ep.9「Kappa…?」 ページ18
翌日のオフは急遽練習になってしまった。
「残念だけど、また行こうね」
「うん…！」
そして数日後。ユニコーンとの試合の日になった。
ユニコーンには、円堂くんたちとも関わりの深い一之瀬くんと土門くんがいる。
…もちろん情報収集済みです！
試合も一進一退を繰り返したけれど、勝利をつかみとった！
円堂くんも、一之瀬くんもいいライバルって感じで
すごく熱い試合だったな…！
＊＊＊
「ヒロトさ〜ん！お昼には特製おかかおにぎりもあるので遅くならないうちに戻ってきてくださいね〜！」
ヒロトくんはあの試合から、
なにか思い詰めたように特訓を積み重ねてる。
ぼんやり、ヒロトくんの向かった方を見てたら、
「やっぱり、ヒロトさんのこと気になりますか？」
「えっ？あぁ、うん、ちょっとね…なんか思い詰めてるみたいで」
「早く元気になってくれるといいですけど…って！木暮くん！！」
あはは…この2人はいつも愉快だなぁ。
＊＊＊
気になっちゃったからヒロトくんについていってしまった。
いたいた。ドリブルの練習かな…？
しばらくみてて、座り込んだから声をかけてみた。
「ずいぶん練習熱心だね」
「わっ、Aちゃん、見てたんだ…」
「あんまらしくないなと思ってて。ねぇ、そろそろお昼だし帰ろ？」
森の出口に向かって歩く。歩く。歩く…
「…出口って、こんなに遠かったっけ？」
「そんなことないはずだけど…」
後ろから誰かついてくる…走る、走る、走る…
「Aちゃん、こっち」
小声で言われて、道をそれた。
「…カッパ？」
「みつけた」
「あっ…」
カッパの子が、ヒロトくんに向かって色紙とペンを渡す。
「ヒロトくんのサインがほしいんじゃないかな？」
「オレのでいいのかい…？それじゃあ…名前は？」
…キュッキュッ。
すらすら書くなぁ…練習してたのかな。
カッパの子は笑顔になると、どこかへ行ってしまった。
＊＊＊
「出口ないね…それにもう暗いし…」
「…オレは野宿でも構わないんだけど、Aちゃんは…」
「あ！野宿ってしてみたかったからむしろ嬉しいかも…！」
「そっか。じゃあ火を起こしたりしようか」
ずいぶん器用にやるなぁ…
すぐ火がついた。上手すぎる。
「お日さま園にいた頃、キャンプにも行ったことがあるからね」
「キャンプかぁ…わたしは行ったことないな」
「いつか一緒にいってみようよ」
「え…」
「みんなで、ね」
「…うん！」
そしてその日はそのまま寝てしまった。
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作者名：落葉このは | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ayakayukik2/
作成日時：2019年9月28日 23時
