【名探偵コナン】防弾チョッキがない【男主】

とりあえず7 ページ8

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もう、だめだ。








偽りの元仕事仲間が、諸星大が、ライが、じわじわと距離を縮めてくるのが酷く恐ろしく、しかしどこかで覚悟を決めている自分がいた。


潜入仲間で、幼馴染みのアイツにメールは送った。これで俺の本来の所属先に連絡がいくだろう。組織から与えられていた部屋にある、公安に少しでも繋がるような物は処分した。


いや、俺が公安だという事実は既に出回っているから正確には、零(ぜろ)が公安だということがバレなきゃいい。あとは...




「俺はFBIから潜入している赤井秀一...お前と同じ、奴らに噛みつこうとしている犬だ。」




奇跡が、起きたのかと思った。全てを諦めた俺にチャンスが訪れたのだと。


しかし、それと同時に信じるな、疑え、そう告げる俺もいた。もしもライがFBIではなくて俺を油断させているのだとしたら？公安の情報を知りたがっているだけだとしたら？


...疑心暗鬼に陥った俺は、自身に向けられている銃口が自分が向けているものだけではないと気付けなかった。









ﾊﾟｧﾝ









乾いた音が静かな夜空に鳴り響き、自身の体がゆっくりと地面に傾き始めたのが感じられたとき、俺は既に目を閉じていた。

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