・ ページ16
「女、貴様……禁術でも犯したか？」
その宿儺の言葉に私は固まった。
さっきまでは確かに悠仁だった、一緒にご飯食べて映画見ながら楽しく過ごしてた筈なんだけど……。
「無視とはいい度胸だな。」
『……えーっと……突然出てこられると反応に困ると言いますか……なんというか……。』
「フン、態々出てくるのに予告が必要か？」
『私、一応一般人ですので……。』
見下す様な視線を向けてくる宿儺に冷や汗が止まらない。
『……それで、その禁術を犯したとは？』
「貴様の呪力は少ないが異質過ぎる、そんな呪力を持つ非術師なんぞ見た事がないからな。」
『異質？』
「考えられるのは時間を操る呪術か、はたまた空間ごと飛ぶような呪術なのか。」
さっきまでの冷や汗とは違いジトリと嫌な汗が出る。
宿儺が言ってる事になんとなく……いや、確実に身に覚えがあるからだ。
「そんな呪術を使ってそこまで呪力が少なくなったとも思えるが、貴様は何をした？」
『……お言葉ですけど、私に呪術は使えませんよ。子供の時から呪霊は見えてましたけどそれが限界でしたし。』
「だから言っただろう？その呪術を無意識に使い呪力が減ったとも思えると。」
『(私が呪術を使った……？そんなのありえるわけがない。)』
元々、生きていた世界は呪術師どころか呪力なんてものすら無かった世界だ。
そんな世界で私だけが呪術を使い、時間や空間を捻じ曲げたなんて事あるはずがない。
『私には何にも覚えはありませんよ。』
「なら呪霊にでもやられたか。」
『呪霊に？』
「何で呪霊が産まれるのかぐらい知ってるだろう？」
『……人の負の感情……。』
そこでハタッと気付く。
『(あの時、私の負の感情が呪霊を産み出した…？)』
呪力もない世界でー？
「呪霊により貴様の時間諸共、空間を捻じ曲げられ此の世に存在しているというわけだな。」
『……それは………いつか元に戻ると？』
「それはない。あの男の呪力が貴様に纏わり付いている限りな。」
『……悟の呪力が消えたら私はどうなりますか？』
「此の世から消えるだろうな。」
『……消える……でも、その呪霊を祓わなければ……！』
「呪霊なんぞとっくに祓われている。」
ヒュッと息が止まった。
「常に貴様の周りにいた呪霊の１つだろう。」
「祓われたが、五条悟の呪力が此の世に留めているにすぎん。」
「五条悟が死ねば貴様も消える。」
「良かったな、愛する男と運命すら共に出来て。」
宿儺の言葉にただ私は愕然とした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
プスメラウィッチ - みゅうさん夢主ちゃんは術式はありますか？できれば夢主ちゃんも禪院家の相伝術式に持って欲しいです。お願い出来ますか？続き頑張ってください。 (2022年3月15日 9時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - みゅうさん、この小説は渋谷事変編は、曲げ欲しいです。お願い出来ますか？後五条悟と夢主ちゃんは幸せして欲しいです。ハッピーエンドですか？ (2021年11月10日 8時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 通読人Zさん» 一気読みして下さりありがとうございます！更新速度は遅めですが、頑張ります！ (2021年9月9日 20時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
通読人Z(プロフ) - 久々にここまでの長編を一気読みしました！朝だったはずなのにもうお昼…これからも素敵な作品楽しみにしてます！！ (2021年9月9日 11時) (レス) id: 484ee080f2 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - アリスさん» アリス様ありがとうございます！そう言って頂けるなんて……！嬉しくてニヤついてしまいます(*´∀｀*) (2021年9月6日 1時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みゅう | 作成日時：2021年8月17日 1時
