204話 ページ6
此処からはオリジナル&ある作品が混ざります。
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3か月後、蝶屋敷ー
「もう桜も満開だ。」
「うん、綺麗だねぇ。」
俺と禰豆子は蝶屋敷の窓から満開の桜をながめていた。
ベットの上には善逸と伊之助が寝ている。
俺の左腕は肘から下が動かす事が出来ず、右目は機能していない。
それでも人間に戻れたという安心感はあった。
「禰豆子は怪我大丈夫か?」
「うん!Aさんが治してくれたし、この通り!」
「そうか……。」
「……お兄ちゃん、Aさんはいつ戻ってくるのかなぁ?」
「………分からない。」
彼女からの伝言を善逸に伝えられずにいる。
俺自身、意識を失っていたからだ。
悶々と考えていると宇髄さんとお嫁さん達や煉獄さんのお父さんと弟の千寿郎君、刀鍛冶の人達に隠の人達がお見舞いに来てくれて病室は賑やかになった。
「うーん……うるせぇなぁ……。」
耳の良い善逸が起きるなり出入口を見て騒ぐ。
「うわーッ!!また来てるよひょっとこ集団!!ほとんど毎日来るじゃん!やだぁ!!」
更に増える人。
「増えたァァァ!!何で皆、示し合わせたように同じ時間にくるの!?病室がギチギチになるんだよ!!」
俺にしがみついてくる善逸に、意を決して伝える事にした。
「……善逸、Aからの伝言だ。」
「え?Aに会ったの?お前。」
Aの名前を出すと一斉に静まり返る。
あの戦いの後、誰もが彼女の行方を気になっていた。
「うん……俺と無惨を引き離してくれたんだ。」
「そっか………それで?」
「……“待ってて”と。」
「…………うん……」
「“もし待てなかったら守石を捨てて”って。」
Aが持っていた守石とやらは、千切れた鎖を直してもらい善逸が首から下げている。
その守石を服の上から握った善逸は首を勢い良く横に振った。
「捨てるもんか。白虎とも約束したんだ、Aを信じるって。」
「Aは無惨をある所へ連れて行くついでに誰かに会うって言ってたな。」
「誰か?」
「あぁ………確か、居場所を作ってくれた人だと。」
「!?」
善逸がヒュッと息を呑んだ。
その顔色は真っ青だった。
「善逸?」
「……他に、何か言ってなかったか?」
「え?あー……確か……」
記憶を手繰り寄せてAが言っていた事を伝えれば、真っ青な顔から今度はボロボロと泣き始めた。
あまりにも悲痛な泣き方に俺も禰豆子も、周りもワタワタとしてしまった。
善逸からは後悔の匂いがした。
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作者名:みゅう | 作成日時:2021年2月16日 6時