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もう1つの最終話2 ページ22

自分達より少し上だろうか。
背筋を伸ばして歩く姿はとても凛々しく、首から淡青色の石を下げていた。

「………姉ちゃん……いたよ。」
「は?」
「あの人!」
「……人の話聞いてた?100歳超えてるのよ?あんな若い人なわけないでしょ。」
「良いから!行こうよ!!」
「ちょっ………学校どうすんのよ!!」

燈子の腕を引っ張って擦れ違った女性を追い掛ける。
善照は必死で声を掛けた。

「あ、あの!」
『はい?』

振り向いた女性は善照と燈子を視界に入れるなり、その瞳を大きくさせ小さく名を呼んだ。

『………善逸?』
「曾祖父ちゃんの名前だ!」
「嘘でしょ!?」
『曾祖父ちゃん?』
「はい!俺は我妻善照、こっちは姉の燈子です。」
『……善逸の………子孫……。』

善照が口を開きかけた時、学校のチャイムの音が聞こえた。

「ヤバい!遅刻しちゃう!!」
「え!?ちょっと待って姉ちゃん!あの、貴女に曾祖父から預かってる物があるんです!」
『……預かってる物?何か預けたかしら私……。』
「今持ってないので、今度持ってきます!だから……」
『なら次の日曜日にお姉さんと2人で此処へおいで。』

女性が渡してきた紙には住所が書いてある。

『今の仮住まいだけど、話すならうってつけでしょうから。』
「あ、有難うございます!」
『学校いってらっしゃい。』

手を振る女性に会釈して善照達は学校へと急いだ。
その週の日曜日ー

「つか、何で私もなわけ?」
「だって言ってたじゃん、2人でおいでって。」
「それにアンタ何持ってきたの?」
「これ。」

善照の手には鼈甲色の玉簪。
大事に保管されていたのだろう、鼈甲色は汚れ1つもついていない。

「それ曾お祖父ちゃんの……」
「最後のページに書かれてたんだよ、淡青色の石を持った女性に逢ったら渡して欲しいって。」
「ふぅん……」
「あ、ここだ。」

辿り着いたのは少し古臭い平屋だ。
本当に此処なのだろうかと疑いつつも、善照はその戸を叩いた。

「あのー、我妻善照です。」
『いらっしゃい……とうぞ、中に入って。』

ガラッと開いた戸から現れたのは先日の女性。
微笑んで2人を中へ通した。
通された居間でテーブルを挟んで座る。
テーブルの上には紅茶とお茶菓子が置いてあった。

「わざわざ用意してくれたんですか?」
『いつ来るか分からなかったからさっき大慌てで準備したの。改めて自己紹介するわね、私は桑島A。貴方達の曾祖父と曾祖母である2人の知り合いよ。』

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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , 転生・多重クロスオーバー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:みゅう | 作成日時:2021年2月16日 6時

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