96話 ページ48
NOside
Aは街の外で気配を感じ、準備を終えて街へ戻った。
その頃、伊之助は荻本屋で鬼の棲家らしきものに通じる道を発見しそこへ潜り込む。
頭しか入れないと知り、身体中の関節を外すといった奇行をした。
伊之助にしか出来ない芸当だ。
穴を通って辿り着いた場所は空洞となっており、そこかしこに帯がある。
その帯には人間が映っていた。
「(人間柄の布?何だこりゃ?いや、この感触……生きてる人間だ。女の腹巻きの中に捕まえた人間を閉じ込めておくのか、それで好きな時に出して喰うんだな。)」
伊之助の見解通り、鬼は異能持ちである。
ひと通り見て回ると伊之助は見知った顔を見つけた。
「ん?」
鼻提灯を出して眠ってる善逸だった。
「何してんだコイツ……。」
思わず呆れた様な声が出てしまうのも致し方ない。
伊之助からしたら何とも間抜けな寝顔なのだから。
「お前が何してるんだよ。」
「!?」
帯から発せられた声に振り向く。
「他所様の食料庫に入りやがって、汚い……汚いね。」
帯はグネグネと動き、目と口が浮かび上がってきた。
「汚い、臭い、糞虫が!!」
「(何だ、この蚯蚓キモッ!!)」
蚯蚓ではなく帯だ。
それを伊之助に教える者はこの場にいない。
「ぐねぐね、ぐねぐね気持ち悪ィんだよ蚯蚓帯!!」
そう帯へ攻撃を仕掛ける伊之助。
どうやら帯だと認識はしているよう。
「グワハハハ!!動きが鈍いぜ、欲張って人間を取り込みすぎてんだ。でっぷり肥えた蚯蚓の攻撃なんぞ伊之助様には当たりゃしねぇ、ケツまくって出直してきな!!」
「(チッ…上手いこと人間を避けて斬りやがる。)」
そう、伊之助は捕われてる人間を避けながら斬っていき帯から解放させていた。
順調そうに見えたが、突如帯が斬れなくなり倒れている人間に向かって伸びる帯に焦る。
人間を守りながら戦うのに慣れていない伊之助にとって厳しい状況に陥った。
「(ヤベェ!!人間を守りながらの戦いをしなきゃならねぇのに……!!)」
しかし、迫る帯にクナイが刺さる。
「蚯蚓帯とは上手いこと言ったもんだ!」
「ほんと気持ち悪いです、ほんとその通りです。天元様に言いつけてやります。」
「あたし達も加勢してするから頑張りな、猪頭!!」
「誰だテメェら!」
「宇髄の妻です!」
髪を1つに纏め、勝ち気な女性が“まきを”。
なんとも頼りなさげな女性は“須磨”。
どちらも探していた宇髄の嫁であった。
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すみません、炭治郎のとこ飛ばします。
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みゅう(プロフ) - ゆうさん» ゆう様、ありがとうございます!こんな拙い文章なのに、そう言って頂けて嬉しいです!! (2020年10月10日 17時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 何でしょうか、あなたは人間ですか??(失礼)文才ありすぎですね僕にも才能分けろください() (2020年10月10日 11時) (レス) id: 7af342ea3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅう | 作成日時:2020年9月1日 10時