89話 ページ41
善逸side
遊郭に着いて、まず宇髄さんは“ときと屋”に行き俺達を売り出した。
「いやぁこりゃまた………不細工な子達だね……。」
「ちょっとうちでは……先日も新しい子入ったばかりだし悪いけど……。」
ときと屋の旦那さんがそう言うも、隣の奥さんは宇髄さんを見て頬を染めて
「まぁ1人くらいなら良いけど。」
と言ってくれた。
「じゃあ1人頼むわ、悪ィな奥さん。」
「じゃあ真ん中の子を貰おうかね、素直そうだし。」
「……。」
隣で旦那さんがジト目で見てるけど奥さん気にしないで宇髄さんに見蕩れてる。
「一生懸命働きます!」
炭子(炭治郎)が選ばれた。
まぁ、無難だわな。
炭子と別れて俺達は次に向かうべく遊郭内を歩く。
「本当に駄目だなお前ら。二束三文でしか売れねぇじゃねぇか。」
『……明らかこの化粧が原因では?というか、二束三文でも潜入出来るなら良いじゃないですか。』
「……お前は売れる気あんのか?後ろで黙ってるけど。」
『一応ありますよ?でも炭子なら1人でも大丈夫でしょうし、心配なのは猪子ちゃんと善子ですからね。どちらかと一緒に行こうと思ってます。』
「へぇ………善子、お前の彼女にしとくのは勿体無いくらいだな。」
ただでさえ苛々してるのにこの人はまだ苛つかせるか。
「俺、アナタとは口利かないんで………。」
「女装させたからキレてんのか?何でも言う事聞くって言っただろうが。」
「(女装なんかどうでもいいんじゃボケが……。オメーの面だよ。普通に男前じゃねぇかふざけんな。しかもAと仲良く話しやがって!)」
「オイ!何かあの辺、人間がウジャコラ集まってんぞ!」
『あ、本当だ。』
伊之助………猪子の指す方向を見れば人だかりがあり、そこには花魁がいた。
「あー、ありゃ花魁道中だな。“ときと屋”の鯉夏花魁だ。」
『綺麗………!』
「1番位の高い遊女が客を迎えに行ってんだよ。それにしても派手だぜ、いくら掛かってるんだ?」
何で名前知ってんだよ……おい、まさか……!
「嫁!?もしや嫁ですか!?」
「近い!!」
「あの美女が嫁なの!?あんまりだよ!!3人もいるの皆あんな美女すか!?」
「嫁じゃねぇよ!!こういう“番付”に名前が載るから分かるんだよ!!」
『う、宇髄さん落ち着いて!』
「歩くの遅っ。山の中にいたらすぐ殺されるぜ。」
『ああいう人が山の中にいるわけないでしょ………って誰!?』
Aは猪子の斜め後ろにいる人に驚いて声を上げた。
その人の目が怖かった……。
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みゅう(プロフ) - ゆうさん» ゆう様、ありがとうございます!こんな拙い文章なのに、そう言って頂けて嬉しいです!! (2020年10月10日 17時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 何でしょうか、あなたは人間ですか??(失礼)文才ありすぎですね僕にも才能分けろください() (2020年10月10日 11時) (レス) id: 7af342ea3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅう | 作成日時:2020年9月1日 10時