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五条side

Aが高専に来て1週間が経った。
状況は変わらず、まだ呪詛師の特定も出来ていない。

「俺が傍にいるから寝ろ。」
『……寝たらまた夢の中で襲われる……。』

眠そうに目を擦るAは顔色が悪い。
寝るのが怖くなっているんだろうな。

寝る時は俺が隣にいて魘され始めると呪力を流す。
1度落ち着いたらそのまま俺も寝るといった感じになってる。
俺が任務でいない時は硝子達に任せているけど……

「(このままだとヤベェよな……。)」

Aもだけど、俺達だって任務に授業にと忙しい。
その証拠に俺や傑はピリピリしていた。

「悟はもう少し周りに配慮した方が良い。」
「あ"?とっとと片付けんなら良いだろうが。」
「この前は非術師を巻き込みそうだっただろ?」
「お前のその“非術師は守るべき”っつー考えを押し付けんな。」
「なら、悟は何故彼女を守ってるんだ。」

“彼女も非術師だよ。”

苛々していた俺も傑も気付かなかった。

「こんな面倒臭え事になると思ってなかったんだよ。」

アイツが会話を聞いていたなんて。

ーーーーーー
ーーーー
ーー

その日、俺は少し長めの任務から帰ってきたばかりだった。
外で騒いでるのが聞こえ足を向ける。

『ちょっ……それ反則だってば!!』
「ほら早く逃げないと捕まってしまうよ?」
「Aってば必死すぎ!」
『笑ってないで助けてよ硝子!』

そこには小さい子供みたいに持ち上げられたAと持ち上げてる傑、腹を抱えて笑う硝子がいた。
近くにいる硝子に話し掛ける。

「五条じゃん、お疲れー。」
「……何してんだよ。」
「ん?あぁ、気分転換してんの。」
「気分転換?」
「そ。傍から見たらとか単なる追いかけっこだけど、夏油もかなり手加減して走ってるしAも楽しそうだからね。」

また傑に捕まったAが笑ってるのが見える。
いつの間にか表情が戻ってる事に俺は胸が苦しくなった。

「A本人が言ってたんだよ、怖いって思うから駄目なんだって……強い心を持たないと呪いに打ち勝てないってさ。」
「打ち勝つって……アイツ、戦うつもりか?」
「戦うつもり、じゃなくて既に戦ってんだよ。ここ数日は寝れるようになったし。」

“だから五条、アンタが付き添わなくても大丈夫。”

硝子の言葉が胸を抉る。
まるで俺は必要ないって言われてるみたいだった。

『あ、悟ー!おかえりー!!』

俺が見たかった笑顔を俺じゃなく、傑が取り戻したんだと思うと感情が黒く塗り潰される気がした。

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みゅう(プロフ) - 御笠梨夜さん» お返事遅くなりました(汗)ありがとうございます!!叫ばれるほどだったとは…! (2021年4月13日 12時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
御笠梨夜(プロフ) - 主さんと五条悟さんに落ちた理由がピッタリ過ぎて叫びました!!! (2021年4月7日 21時) (レス) id: 2a8a3245ef (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» 続き気になると言って下さり嬉しいです! (2021年4月4日 0時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - 面白かったです。続き気になります。更新がんばって下さい! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - イオさん» 有難うございます!面白いと言っていただき嬉しいです!出来るだけ更新早くなるよう頑張ります!! (2021年4月3日 21時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅう | 作成日時:2021年3月18日 9時

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