・ ページ27
硝子達が来るまで私達は抱き合っていた。
「２人とも、いつまでそうしてるつもりかな？」
「……傑……こういう時は空気を読んで放っておくだろ。」
「充分放っておいただろ？」
『……夏油君』
「目が覚めて良かったよ、Aさん。」
安堵した顔の夏油君。
横から硝子が悟を押し退けて抱き着いてきた。
「あ！」
「今まで抱き締めてたんだから譲れ。」
「ふざけんな。」
「痛いところない？」
威嚇する悟を無視して問いかけて来る硝子に笑って平気だよと返す。
悟も夏油君も硝子も、笑ってはくれなかった。
「……あ、そうそう夜蛾センセーが会いたいって言ってるよ。」
『“夜蛾先生”？』
「私達の担任の先生だよ、話を聞きたいらしい。」
「……起きたばっかで悪いけど話せるか？」
『うん、大丈夫だよ。』
ニコリと笑えばまた３人の気遣うような視線。
……そんなに酷い顔をしているのだろうか。
『(おかしいな……ちゃんと笑えてるのに。)』
「入るぞ。」
その声と共に入ってきたのは強面の男性。
思わず固まった私に３人は苦笑した。
「君がAAさんかな？」
『は、はい！』
「俺は夜蛾正道、聞いているとは思うがこの３人の担任を受け持っている。」
厳格そうな人だけど、私が怖がらないように柔らかい口調で話してくれる。
「まず、君は呪霊が視えていてどういったモノか知っているか？」
『はい……昔、さと…五条君から聞いています。人間の負の感情から生まれる呪いが具現したモノだと…。』
「そうだ。それを踏まえて君の周りには呪霊がいるのは理解していると？」
『……幼い頃からこんな状況でしたので。』
そう伝えれば夜蛾さんは目を丸くした。
頭の後ろに手を置いた悟はそんな夜蛾さんに笑う。
「だから言ったじゃん。Aは術式は持ってないけど微力の呪力があって子供の時から呪霊と過ごしてたって。」
『ちょっと待って、それ語弊あるよ？私が一緒に過ごしてたのは呪霊じゃなくて幽霊だから。』
「呪霊も幽霊も変わんねーって。」
『変わりますー。呪霊は私の邪魔しかしないけど、幽霊は起こしてくれたりするもの。』
「……それはそれで、どうかと思うよ。」
むぅっと口を尖らせればボソリと夏油君が呟く。
ゴホンと咳払いした夜蛾さんに話を戻された。
「話を戻すが、今回の１件は君の周りにいた呪霊が起こした事で合っているか？」
『それは……分かりません。』
「君を連れ去ったこの男に見覚えは？」
呪霊に襲われた男の写真に吐き気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 486人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゅう(プロフ) - 御笠梨夜さん» お返事遅くなりました(汗)ありがとうございます！！叫ばれるほどだったとは…！ (2021年4月13日 12時) (
レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
御笠梨夜(プロフ) - 主さんと五条悟さんに落ちた理由がピッタリ過ぎて叫びました！！！ (2021年4月7日 21時) (レス) id: 2a8a3245ef (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» 続き気になると言って下さり嬉しいです！ (2021年4月4日 0時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - 面白かったです。続き気になります。更新がんばって下さい! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - イオさん» 有難うございます！面白いと言っていただき嬉しいです！出来るだけ更新早くなるよう頑張ります！！ (2021年4月3日 21時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みゅう | 作成日時：2021年3月18日 9時
