新しい出会い ページ19
Aside
父さんの仕事上、高校に上がると同時に引っ越した私は前よりも会いやすい距離になった事を彼ー悟君に伝えた。
携帯は高校入学祝いに父さんが買ってくれたものだ。
悟君は五条家から出て学生寮がある“東京都立呪術高等専門学校”という所に行った。
《兄ちゃん達は元気?》
『うん、兄さんは社会人になって大変だって姉さんは大学が楽しいって言ってる。』
《姉ちゃん美人だからモテるだろ?》
『この間も手紙たくさん貰ってたね。父さんがそれ知って“何処の馬の骨とも分からない奴に娘をやれるかー!”って暴走してた。』
悟君の笑い声を電話越しで聞きながら私は私で貰った手紙を読んでいた。
《さっきから紙の音するけど勉強でもしてんの?》
『(私も手紙貰ったなんて言えない……。)そんなとこ。』
《ふーん。》
『さ、悟君は何してるの?』
《その“悟君”ってやめね?》
『え?』
《俺ら高校生になったんだからいい加減呼び捨てで呼べよ。》
“俺は呼び捨てで呼んでるのに。”
と彼は言うけど、初めから呼び捨てだったじゃんとはツッコまない。
これは言うまで電話終わらないだろうと思った私は小さくだけど、彼の名前を呼んだ。
『……さ……悟……。』
《聞こえなーい。》
『悟!これで良い!?』
《半ギレかよw》
『こっちは恥ずかしさで死にそうだよ!』
《ぶはっ……!》
『笑わないでよー!』
ケラケラと笑う悟君……悟に、怒ったように返せば笑い声が止まった。
『ど、どうしたの?』
《……A、もう一回呼んで。》
『……悟。』
《……うん。》
あまりにも柔らかい声にドキドキした。
その日の電話はそこで終わりにしてお互い眠りに就いた。
数日後、たまたま高校で出来た友達と渋谷を歩いていると一際目立つ3人組を発見。
「ねぇ!あそこの人達格好良くない?!」
「えー、なんか不良っぽいよ。」
「女の子は美人さんだよね!あんな人と友達になれたらなぁー。」
盛り上がる友人達をよそに私は3人組の内、1人見覚えのある人物だと気付き口元を引き攣らせた。
『(何でここで会うかなぁ……。)』
サングラスを掛けた悟は確かに格好良いが、今この友人達と一緒にいる状態で会うのは非常にマズイ。
彼女達は私が手紙を貰った事を知ってるのだ。
特に疚しい事はないのだが、如何せん悟は独占欲の塊だとこの2年間で痛いほど分かった。
『(見つかる前に帰ろう。)』
そっと踵を返した私を友人達がデカい声で呼ぶ。
その声に反応した悟が此方を振り返る。
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みゅう(プロフ) - 御笠梨夜さん» お返事遅くなりました(汗)ありがとうございます!!叫ばれるほどだったとは…! (2021年4月13日 12時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
御笠梨夜(プロフ) - 主さんと五条悟さんに落ちた理由がピッタリ過ぎて叫びました!!! (2021年4月7日 21時) (レス) id: 2a8a3245ef (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» 続き気になると言って下さり嬉しいです! (2021年4月4日 0時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - 面白かったです。続き気になります。更新がんばって下さい! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - イオさん» 有難うございます!面白いと言っていただき嬉しいです!出来るだけ更新早くなるよう頑張ります!! (2021年4月3日 21時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅう | 作成日時:2021年3月18日 9時