迷い ページ24
NOside
１年が過ぎた。
虚式“茈”に加え反転術式も使えるようになった五条は自他共に認める最強となり、１人での任務が増えた。
同時にそれは夏油も１人の任務が多くなったという事だった。
あの星奬体の任務で天内理子は死に、盤星教はそれを喜んだ。
夏油の中でその出来事は今までの“弱者生存”といった術師は非術師を守るという考えを覆すほどであった。
「(ブレるな。)」
それでも必死に保とうとする夏油の脳裏には、やはり喜ぶ盤星教が浮かぶ。
「猿め……。」
そうポツリと呟いたところで、何故か去年亡くなったA家が浮んだ。
「……守りたいモノは守れず、か。」
約束通り、美味しい蕎麦屋に連れて行ってくれた雪紘。
優しく出迎えてくれたAの両親。
弟のように可愛がってくれた志穂。
そして、優しくて暖かったA。
彼女達を思い出すとブレかけていた自分が戻ってくる感覚になる。
「(私を心配していた悟こそ、大丈夫なのだろうか……。)」
あれだけ大事にしていた彼女の遺品を夜蛾に頼み込んで持ち続けている。
黒くなった血の跡が付いた青い携帯と後に見つかった指輪。
指輪に関しては本当にAの物かどうか判断出来なかったが、指輪を見た五条が自分が贈った物だと裏に刻印があるはずだと言った。
見事、裏に刻印は存在し指輪がAの物だという証明となった。
「(自分の心配をすればいいのに……。)」
夏油は知っていた。
あの日から五条が何度も青い携帯を鳴らしている事を。
時折、指輪の存在を確かめるように胸元へ触れている事を。
「(悟だけじゃない……硝子や七海、灰原も少し変わった気がする。)」
家入はあの日、Aが持っていた猫の呪骸を離せずにいる。
七海は夏油のように五条の状態を知っているからか、たまに五条を見かけては目を伏せる仕草が増えた。
灰原は一見、いつもと変わらないように見えるが気を張っている。
「……Aさん、君の存在は私達にとって大きかったんだよ。」
シャワーを浴び終わり、椅子に座り込んだ夏油の声は小さくとも響いた。
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
少し短めですが、たまには夏油さんオンリーでいってみました。
闇落ちする前の夏油さんは葛藤していたのだろうなと思います。
優しい人ですからね。
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さあら - こちらの作品大好きです！第3部も楽しみにお待ちしてます！ご自身のペースでゆっくり更新していたなければ嬉しいです！ (2021年6月9日 23時) (
レス) id: 1dd9db070b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 夢主ちゃんは五条悟の記憶はありますか？後、渋谷事変編は、曲げ欲しいです。お願い出来ますか？ (2021年6月8日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - プスメラウィッチさん» 以前にもお伝えしましたが、五条さん落ちです。 (2021年6月4日 9時) (レス) id: c63776aca3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - この小説は五条悟オチですか？ (2021年6月4日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 夏油ぉぉぉ…離反しちまったかぁ〜(´；Д；`)でも夢主が無事なのを知れてよかった！匿ってるは一体誰なんだろう…？？次の更新が楽しみです！！ (2021年5月28日 22時) (レス) id: 7231dc8d8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅう | 作成日時：2021年4月26日 1時
