神社のキツネさん【桃】

年末年始 ページ8

今年ももう1時間で終わる。

佐久間に来れないか聞いたが仕事があって来れないらしい。

最もな理由だ

しかし、佐久間の居ないこの空間が何故か少し寂しく感じた。



＿＿＿＿＿


記録書


2018/12/31 今年の参拝者は1人です。
また私が視える人間が現れました。
どうせ前の人間と同じように離れていくと思っていましたが、彼は違う気がしました。



＿＿＿＿＿




「涙でにじむ約束が

まだ果たせない僕だから。

もう少し傍に居て

もう何度も告げたセリフだね。」



いつの間にか夜の寝る前にSnowDreamを歌うのが週間になっていた。

ほんの少しだけ、私の好きな歌詞を歌う

何だか過去の自分に似ている気もしたから


佐久間大介という人間と出逢ってまだ数週間なのにこんなにも心を動かされている。

あの人間以来だが、不思議と嫌な感じはしない。


今度こそ、佐久間の願い(この願い)が叶うように。



『SnowManがデビュー出来ますように。』





＿＿＿＿＿



年が明けて1週間が過ぎたが今年に入って佐久間はまだ1度もここに来ていない。

雪も振り始めたが鳥居の目の前に座り続ける。

少し不安だが…大丈夫。きっと、佐久間は来てくれる。


彼奴とは、違う



佐久間「おーい、Aー？こんなとこで寝てたら風邪引いちゃうよ？」

「佐久、間…」

佐久間「ん？どったの？」

「…何でもない。忙しかったのか？久しぶりだな」

佐久間「それもあるんだけどね〜、実家に帰って初詣しに行ってたの！」



初詣、行ったのか


まぁ、それはそうだよな。


家族と初詣は行くものだからな


知ってる。


家族連れの参拝者たちを私はこの目で何度も見てきた。


待ちくたびれて親に抱えてもらう子供や

賽銭箱にどのくらい入れようか相談する者


しかしそんな景色は何十年も見ていない。



「そうか、楽しかったか？」

佐久間「うん！ムーンちゃんに久しぶりに会えて嬉しかった〜！」

「もう少しいても良かったんじゃないか？」

佐久間「まぁね、でも俺はここでも御参りしておきたかったから！」

「…そうか、なら幾らか入れてみろ」



そう言い私は屋根の上に登る。


今年初の…何年振りかの参拝者。


佐久間は10円玉を入れてパンパンと手を叩き2礼し、願う。

神様→←ネタバレはめっ！

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