【ONEPIECE】Chainー外れたパーツー (ページ10)

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第8話ページ10

Aside)

何なんだ今日の大将達は……。

敬語を外せと言ってきたり名前で呼べと言ってきたり、赤犬はいつも以上に不機嫌だし。

『いや、不機嫌なのは私のせいか…』

昔から彼には好かれていなかった。

子供が嫌いなのかと思っていたのだが、私が20をとうにすぎた今でも態度が変わらないということは私が嫌いなのだろう。

まァ、どうでもいい。

むしろ嫌っていてくれて構わない。

コンコンコンッ─
ドアをノックする音。
聞こえてきたのは部下の声だった。

『どうぞ……どうしたの、リック』

◆｢追加の書類持ってきた。｣

『あぁ、ありがとう』

彼は私が20歳で初めて自分の部隊を持った時からずっと居るリック。

私よりふた回りほど歳上で、兄妹のように接している。

◆｢で、どうだ？海軍大将の気分は？｣

『からかわないでよ…。
黄猿さんと青雉さんは相変わらずだけど、
赤犬さんはやっぱり気に食わないみたいだよ。』

◆｢ハッハッ！変わらないなぁ、あの人も｣

『……リックはまだ赤犬さんから勧誘受けてるの？』

◆｢時々なぁ…ま、断ってるが。
安心しな、オレは他に行く気はねぇよ｣

そう言って彼は私の頭を撫でた。

胸に何か温かいものがこみ上がって、
それが胸を苦しめた。

“誰にも言えない秘密”

私の抱えるそれは時々酷く現実を叩きつけてくる。

ようやくこの立場を手に入れた今、
容易く此処を手放す訳にはいかない。

仲間に嘘をつこうとも、恩人に嘘をつこうとも、

それがどれだけ私を苦しめたとしても、

目的を達成するために私は……。

『ありがとう、リック。』

─そう言って、微笑んだ。