【ONEPIECE】Chainー外れたパーツー (ページ33)

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第31話ページ33

Aside)

今日もまた、私の方が先に着いた。

酒場にはマスター以外誰一人の姿も無かった。

いつものようにカウンターの左端に座れば、
少し待っていると彼は私の隣に座った。

『……返事の前に、
貴方に言わなきゃいけない事がある。』

お店の中には私の声と

マスターがお酒を作る音しかなく、

自分でも驚くほど弱々しい声だった。

煙｢…なんだ｣

急かすわけでもなく、怒るわけでもなく、

少し心配の色が零れた声で彼は尋ねた。

私は自分の右腕に左手をかける。

ガシャン─

音と共に右肩から取り外された腕を
少しだけ雑に近くのテーブル席に置いた。

『私の腕は«ニセモノ»なの。つまりは義手ね』

煙｢…それがどうした。
そんなのはお前の部隊にいくらでも居るだろ｣

驚く様子は全く無いスモーカー。

むしろ｢そんな事か｣と
呆れのような表情を浮かべていた。

『片腕なら、ね？』

右腕を戻した私は両手の、『肌色の手袋』を外した。

細い金属が幾つも繋がって出来た手のひらが現れる。

『私は両腕の肩から先と
左脚の膝から下が義手義足なの』

煙｢……。｣

両手と片脚、つまりは身体の5分の3程が«ニセモノ»

それはもはや«人»と呼べるのだろうか。

『これが貴方が求めた私の正体……』

出来るだけ、笑う様に心がけながら私は彼に問いた。

『…こんな私を、愛せますか？』