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Aside
お母さんの声が部屋に響く
「なに、この絵は!!
あなたの実力は、こんなものじゃないでしょ!?」
こんなのものじゃないってなに
「ねぇ、A
どうして?
もっといい絵がかけるでしょ!?」
……るさい
「あなたは、普通の子とは違うの!
そんな子たちになんか負けちゃダメ!」
……うるさい
「かきなおしよ、こんな絵」
うるさい……ッ!!
「……わかってるよ」
「え?」
「描き直すから!!
もう早くでてって!!」
「……!!」
突然大声を出されたことにビックリしたのか、大きく肩を揺らした
今までこんなに強く言ったことはなかった
でも、もう我慢の限界だ
いらないプレッシャーと期待感
そんなもの、いらない
私はただ普通に、絵を描くことを楽しみたいのに
なんで、それを実の母親に潰されなきゃいけないの
一刻も早く、母親をこの部屋から追い出したかった
顔を見たくなかった
「……わかったわ」
それだけ言うと、部屋から出て行った
私は、壁にもたれかかりながら
「なんでなの……ッ」
声を押し殺して涙をこぼした
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