ダーリンに愛を叫ばせて！【魔入間】

第19叫 ページ20

ダリside

『危なかった〜〜』


Aさんを見送ってから部屋に戻ると、脱力して床に座り込んでしまった。

というのも、さっきまで悪周期だったとはいえAさんを襲おうとしていたからだ。

Aさんは気がついていなかったかもしれないが、そのまま部屋に閉じ込めておこうか、という危険な思考さえ脳裏によぎっていた。


｢ほんとに僕どうしちゃったのかな……｣


今までは悪周期になっても、最低限の理性は保つことが出来ていた。
それなのに、今回負の感情を抑えられなくてAさんを危険な目に合わせようとしていたなんて……

普通、生徒に嫌われたかもしれないからと言ってこんなことになるだろうか。いや、ならないだろうな。

僕も教員をして長いし、多かれ少なかれそういうこともあった。なのにAさんに嫌われたと思うだけで、こんなにも精神が不安定になるとは。

Aさんは本当に不思議な子だ。確かに、Aさんのことは最初の頃から目をかけていた。
でも、それは生徒としてだ。決してそれ以外の目で見たことは無い……はずだ。

とりあえず、悪周期が早めに終わったことはAさんに感謝しよう。でなければあと数日は学校に顔を出せなかったであろうし。
まぁ、教師統括の僕がいなくても、カルエゴ先生がいるからなんとかなっちゃうんだろうな。














さて​───────
建前はここまでにして、僕もそこまで鈍くない。自分がAさんに抱いている感情に気がついてしまったのだ。
生徒に対するそれではなく、1人の悪魔に対するそれ……恋だとか愛だとか恋慕だとか、そう名のつく感情だろう。


｢……これは、僕の方がAさんのこと避けちゃうかもな…でも、仲直りって言った手前そんなことしたらAさん、悲しむよな〜どうしよう……｣

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