第18叫 ページ19
『ダリ先生、Aです……入りますよ?』
ノックをしてみたが、返事は帰ってこなかった。それよりも中に悪魔がいるのかも疑わしいくらい、静まり返っていた。
私がダリ先生の部屋に足を踏み入れて扉を閉めた瞬間、私は何かにグッと引っ張られて奥に連れていかれた。
「……だれ?」
『あ…ダリ先生、ゼパル・Aです。その、お見舞いに来たんですけど…』
私がダリ先生に名乗ると、非常に驚いた顔をしていた。かと思えば、すぐさま怒った表情へと変わった。
「Aさん、僕怒ってるんだよ。なんで僕のこと無視してたの?」
『それは……』
私が言い訳をしようとすると「静かにして」というダリ先生の声に遮られてしまった。
「Aさんに無視されて、イライラして…いつも質問に来てくれてたのに、その日は来なかったよね?僕待ってたんだけど。授業でも目を合わせてくれないし…僕、Aさんに嫌われたんだと思ってたんだよ。」
『無視したことは本当にごめんなさい……でも、なんでそんなに怒ってるんですか?』
「……なんでだろうね。」
ダリ先生は一瞬ピクリと動いて考え込んでいたが、自分が何故こうなっているのかは分かっていないようだった。
『ダリ先生、私があの日避けてたのは嫌いになったからじゃありません。その……この前、ダリ先生にされたスキンシップが恥ずかしくて……ダリ先生の顔を見れなかっただけです。』
「……え?なんだ、そんなことか〜。は〜、僕1人で焦って暴走して馬鹿みたいだね。本当は話し合おうと思ってたのに。さっきはごめんね、怖かったでしょ?」
『……ちょっと怖かったけど、大丈夫です。私もダリ先生に嫌われてないか心配だったので…』
「僕はそんなことでAさんを嫌いになったりしないよ。…じゃあ、これで仲直りってことで。バラム先生、もう戻っていただいていいですよ。Aさんのことは僕が見送るので。」
ダリ先生は扉の外にいたバラム先生に気がついていたようで、帰るように促した。
私は見送りはいらない、とダリ先生に言ったのだが「もう遅いんだから、大人の言うことを聞きなさい」と言われ、額に軽く弾かれてしまった。
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コロネ(プロフ) - 初コメ失礼します!!とてもおもしろかったです!!続き楽しみにしてます! (10月27日 18時) (レス) @page24 id: 2d335fb530 (このIDを非表示/違反報告)
めそ(プロフ) - 東雲 夜椰-シノノメ ヨルヤ-さん» コメントありがとうございます。紹介大丈夫です、むしろ凄く嬉しいです!面白いと言っていただけて本当に良かったです。これからも頑張ります! (9月9日 21時) (レス) id: 92e13f110a (このIDを非表示/違反報告)
東雲 夜椰-シノノメ ヨルヤ-(プロフ) - 初コメ失礼します。無茶苦茶面白いんですけど何でですか?友達に教えてもいいっすか?マジで。ダメだったらいいんすけど!更新頑張って下さい!!応援してます! (9月9日 21時) (レス) @page12 id: 70c3e8bce0 (このIDを非表示/違反報告)
めそ(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます。神作と言っていただける日が来るとは思わなくて、凄く嬉しいです!ゼゼくんとの絡みも増えてるくので、これからもよろしくお願いします! (9月9日 18時) (レス) id: 92e13f110a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - ダリ先生の夢小説少ないけど漁りまくってこの小説に出会ったんですけどほんとに神作に出会えました!!更新される度に頬が緩みます!ゼゼくんもダリ先生も推しなのですごく嬉しいです(><) (9月9日 15時) (レス) @page12 id: 2c7a263bbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めそ | 作成日時:2023年9月6日 18時