ダーリンに愛を叫ばせて！【魔入間】

第10叫 ページ11

ダリside

最近気になっている生徒がいる。と言ってもスキャンダラスな意味ではない。その生徒の名は、ゼパル・Aという。

彼女との出会いは、倒れそうになったところを助けた……よくある少女漫画のような感じであった。
と言っても、さすがに生徒相手に恋愛感情を抱くことは無い。もしそのようなことになれば、僕には凄惨たる教育が待っているであろう。

さて、なぜ彼女を気にしているのかと言うと、唯一僕の授業を真面目に受けている生徒だからだ。授業終わりには必ず質問をしに来て、小テストは毎回満点。言うことなしの完璧な優等生だ。
こんなに良い生徒を可愛がるな、という方が無理があるだろう。

僕は毎日彼女が質問に来るのを楽しみにしていた。そして今日もすぐに質問に来るのだろうと思っていたが、一向に来る気配がない。
飽きられてしまったのかとも思ったが、その直後2年が1年を襲っているという報告が入り、僕は急いでその場へ駆けつけた。


｢こら、君たち！そこで何をしているんだ！｣


被害者は彼女……Aさんだった。2年の女生徒に馬乗りにされて、今にも髪を燃やされてしまうというところだった。

急いでAさんの元へ駆け寄り、怪我はないかと心配をしたのだが、急に静かに大粒の涙を流してしまった。
僕はそれに驚き、自分でもなぜそうしたか分からないのだが、Aさんを抱きしめて頭を撫でていた。

Aさんを傷つけた生徒たちに、破壊衝動にも似たような感情が沸き起こったので、頭を振って危険な思考をかき消した。僕はどうしてしまったのだろうか。

Aさんはもう涙も止まったようだし大丈夫だろう、と思っていたら急に苦しそうな声で呻くと、そのまま気絶してしまったようだ。

やはりなにかされたのかもしれない、そう思いAさんを医務室に連れていくと、急いでブルシェンコ先生を呼んだ。

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