地獄 ページ7
｢どうした、早く避けないと当たるぞ。｣
『家系能力を...こんな風に使ったことがないのでっ...発動までに時間がかかるんです！』
この会話をしている間もカルエゴ先生からの攻撃を必死に避けていた。しかしギリギリ、カルエゴ先生が手加減をしてくれているからまだ無事なのだろう。
｢ふむ...ではヒントをやろう。俺はさっきからずっと同じパターンで攻撃している。お前の能力を未来ではなく別の方向に使ってみろ。｣
別の方向...そうか、過去を見ればいいんだ。先生の攻撃パターンは同じ、だったら過去を見ることで次どこに攻撃されるかが分かる！
『ここだっ！』
そうすると、カルエゴ先生の攻撃の反対方向へ移動して避けることができた。
｢喜ぶのはまだ早い、攻撃できていないぞ。｣
カルエゴ先生の言う通り私は一切攻撃ができていない。しかし、家系能力は使い続けることで発動時間の短縮はできるようになった。私はフルで未来を見続け攻撃を全て避けた。
『(どうすればカルエゴ先生に攻撃することが出来る...？無口頭魔術は使えない。となると魔術だけでの攻撃は現実的じゃない。どうせ防御される。......そうだ、妖精。私が魔術を唱えて気を引いている隙に背後から妖精に攻撃してもらう。これしかない！)』
『ラファイアッ！』
｢それで攻撃できると......！？｣
作戦通りカルエゴ先生の注意は私に向いて妖精に攻撃してもらえることができた。とりあえず先生の足元を凍らせて身動きが取れないようにすることは出来た。
｢...合格だ。とりあえず第一段階は終了だ。｣
『第一段階？』
｢今のお前にはまだ欠点がある。家系能力を1回使うのに魔力を使いすぎだ。これでは戦闘中に魔力切れになって倒れるだろう。これからは常に家系能力で未来を見続けて俺に会わないようにしろ。俺に捕まったらまた戦闘の訓練だからな。｣
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作者名：めそ | 作成日時：2023年9月2日 15時
