転生したが、あくまで平穏に過ごしたい！③【魔入間】 (ページ19)

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私たちの色ページ19

目の前に出された料理に私は混乱していた。カルエゴ先生はなぜこんなことをしているのだろう。
よく分からないがカルエゴ先生が食事を始めたので、私も真似るように食べ始めた。

食事が終わるとカルエゴ先生は真剣な目で私を見て話しかけてきた。

｢A、卒業したら俺と結婚して欲しい...これを受け取ってくれないか。｣

『うぐっ......こ、これって婚約指輪！？』

カルエゴ先生の突然の結婚発言に飲んでいた水をあやうく吹き出すところだった。
小さな箱に入った指輪を見てみると、アメジストが嵌め込まれたシルバーの指輪だった。

『もしかしてこれを渡すために、服を買ったり食事に連れてきたりしたんですか？』

｢そうだ。...それで受け取ってくれるな？｣

『はい、すごく嬉しいです！』

指輪の箱を見てみると一緒にチェーンが入っていた。どうやら学校でも肌身離さず持っていろ、ということらしかった。
私の恋人は独占欲が強いようだ。

｢近々挨拶にも行かんとな。｣

『はい！？挨拶ってカルエゴさんのご実家に！？卒業まであと5年あるんですからもう少し待ってください！』

｢落ち着いたらお前の実家にも行くからな。｣

カルエゴ先生は私の実家にも押しかける覚悟らしい。ほぼ絶縁状態。しかも狙われているというのに大胆なことをするもんだ。でもさすがにカルエゴ先生との婚約を報告すればあっちも諦めるのかも...？

『まだですからね！それと、挨拶するなら理事長にもしないとですよ。今の私の保護者はおじいちゃんなので。』

｢グっ...あの阿呆理事長か...。これは骨が折れそうだ。｣

孫を嫁には出せないと駄々をこねるおじいちゃんの姿を想像して笑ってしまった。
私は幸せ者だ。昔の私では想像も出来ないくらい幸せで死んでしまいそう。でも5年後に結婚するために精一杯生きなきゃ。

屋敷に帰ると私は何も言っていないのにオペラさんから｢カルエゴくんとのご婚約おめでとうございます。｣と言われてしまった。ちゃんとドレスも着替えて帰ってきたのになぜバレたのだろうか。