転生したが、あくまで平穏に過ごしたい！③【魔入間】 (ページ15)

今日:5 hit、昨日:25 hit、合計:10,016 hit

悔しいページ15

『あれ...私...』

目を覚ますと私はベッドに寝ていた。
私、幻覚を見てそれでどうしたんだっけ...？

『あっ収穫祭！！』

私がそう叫ぶと救護テントにカルエゴ先生が入ってきた。

｢起きたか、A。気分はどうだ？｣

『大丈夫です...それより収穫祭は？』

｢先程終了した。今は表彰中だ。｣

驚くことに私は収穫祭最終日まで寝ていたらしかった。頑張ってポイントを集めて、カルエゴ先生に特訓の成果を見せようと思っていた。それなのにこの結果だ。

『そんな...わ、私カルエゴ先生に成長した所を見てもらいたくて頑張ったのに......うっ...』

目頭が熱くなり泣きそうになったが、こんな所を見られたくなくて堪えた。
するとカルエゴ先生は私に近寄ると、私を優しく抱きしめた。

｢お前はよくやった。俺はちゃんと見ていたぞ。...泣きたい時は素直に泣け。｣

そう言われると涙が自然に溢れてきて止まらなかった。

『わ、私...すごく悔しいです...っ...先生に応援して貰ったのにっ、幻覚だって分かってたのに...っ！！』

しばらく泣いて落ち着くと、急に恥ずかしくなってきた。こんな子供っぽい所を見せてしまって全滅されないだろうか。

『あ、あの...もう大丈夫です。恥ずかしいところを見せてごめんなさい。』

｢もういいのか？別に俺はお前が泣いているところを見ても幻滅なぞせん。｣

『え、なんでわかったんですか！？』

｢顔に出てるぞ。｣

考えていたことを見透かされていてさらに恥ずかしくなった。『もう大丈夫ですから！』とカルエゴ先生に告げると急いでテントを出てクラスのみんなの所へ向かった。