転生したが、あくまで平穏に過ごしたい！③【魔入間】 (ページ13)

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絶望ページ13

『(まずい、オロバスくんがいる。)』

オロバスくんの家系能力で幻覚を見せられてしまったら一溜りもないだろう。私は能力を使いオロバスくんがいる方向とは逆へ向かった。
しばらく歩いていると目の前に人影が見えた。

『あれ、誰かいる......カルエゴ先生！？』

おかしい、ここでリタイアする生徒は居ないはず。となると幻覚だ。

『(なんで...能力は切っていないはず。もしかして対策されてる？)』

オロバスくんと一緒に行動しているのはバール陣営のオチョだ。もしかしたらグレモリー家の誰かが家系能力の弱点でも教えたのかもしれない。
でも幻覚とわかっているなら避けるのは簡単だろう。

｢ここにいたかA。｣

『...カルエゴ先生、なぜここに？』

｢お前をグレモリー家へ連れて帰るためだ。忌み子を誇り高き悪魔学校に通わせることなぞ出来ん。｣

『......は、忌み子？』

幻覚だとわかっている。しかしカルエゴ先生から忌み子という言葉が出た瞬間、胸が痛み呼吸が浅くなった。

『な、何言ってるんですか...？先生は私の恋人だから実家には帰さないって...』

｢お前が恋人だと？なぜ私が半端者を愛するんだ。ふざけたことを言っていないで早くこちらへ来い。｣

その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが崩れた。自然と涙が流れ出し魔力が増幅するのを感じた。

『...違う！！カルエゴ先生はそんな事言わないもん！！』

私は目の前にいるカルエゴ先生に向かって攻撃をし続けた。

『消えて！消えてよぉ！ラファイアァァァ！！......うっ、ぐすっ...』

私は付近を燃やし続けたが、一向に心が晴れない。

｢どうせその位階も不正をして得たのだろう。｣

『あああああ！！うるさい！！』

攻撃をし続けても次から次へと私に罵詈雑言を浴びせてくる。
しばらく続けると魔力が尽きるのを感じ、目の前が真っ暗になった。