ー 誰そ彼 ー

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A「おじーちゃんから聞いてわかったのは、佐倉って殿様と息子がひとり。みんなに愛された村だったってことか」


J「…そんで元亀３年、夏に攻め込まれて…滅んだ」


N「…」


飯のあとそれぞれが風呂に入って


いつも俺が寝ている部屋には布団が５つ、窮屈に並べられていた


S「明日、行ってみよう」


翔がぽつり、それでも力強くそう言うと


俺も含め、みんなが頷いた


A「あとあれも気になるね。８月１０日のカレンダー！」


O「ああ…」


ばーちゃんが言ってたんだ


「さとくんの大事な日なんやろ？自分で丸して」


って


その時のカレンダーを取っておいてくれたみたいで、見せてくれたんだ


確かに８月１０日に大きく丸をしてた


N「８月１０日…」


J「夏、だな」


N「うん…。でもそうだとするとなんでそれをこの人が知ってたかってことよ」


J「どうなの？」


O「…」


思い出せそうで思い出せない


なにか大切なことを忘れている


S「とにかく、明日ね。湖も行こう」


A「そうだね」


その夜は、「仮説」を言うカズの話を聞きながら眠った


相槌を打つのは潤と雅紀


俺と翔はただ聞くだけだった


S「智？」


O「ん？」


隣の布団にいる翔の声がして


S「俺…ね、不思議だけど…明日、何か変わる気がしてる」


緊張してるのかな、って笑って


O「俺も。何か思い出せる気がする」


S「同じだね」


O「うん」


この日、何か夢を見るかなと思っていたけど


朝起きた時には覚えていなかった


、

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