ー 誰そ彼 ー

…なんでもないや ページ32

ずっと探してた人に出会うことが出来て


ふたりの時間が止まった…いや、戻った気がした


でもね、やっぱり不思議なことに


この夏の不思議な出来事をふたりともがまた忘れてしまうんだから


本当に不思議だと思う


、


S「あ…、学校…」


O「あ…」


まだ彼の目的地である駅の改札の前


時計を気にした彼はもどかしそうに俺を見る


O「あ、あの…、学校終わったら…」


S「う、うん！じゃあ連絡先…」


O「そう、だね！」


不思議な出来事…彼を知ってるような気がする原因は忘れてしまったけど


それでも彼のことは心のどこかで覚えてる


もうそれだけでいい


S「…よし」


O「うん」


お互いの携帯にお互いの連絡先が登録されて


…これも消えたりしないよな、と一瞬考えたけどもう大丈夫


もう、これ以上絶対忘れない


O「翔」


S「智…くん」


O「…呼び捨てでいいよ」


S「智」


O「うん、そのほうがいい」


そう言うと彼は優しく笑って


S「午前中で終わるから、連絡する」


O「俺も」


S「じゃあ…またあとで！」


手を振り、俺に背中を向け


O「いってらっしゃい！」


S「智もね」


O「あ！」


S「ふはは！」


俺も慌てて改札へ


、


同じ時代を


彼と生きれること


それが…、ううん、なんでもないや


、


O「遅刻だ…」


、


今を、生きる


、

…２→←あとがきー

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