ー 誰そ彼 ー

…君のいない世界など ページ18

、



ずっと、誰かを探している気がする


、


、


物心ついた頃からそう思ってた


顔もわからない、誰かもわからない


でも、ずっとずっと


誰かを探してる気がしていた


、


それは夏、特に８月になると強く思った


どこかわからない湖の夢をよく見た


起きたとき、必ず涙を流してた


その夢にも探してる誰かが出てきたのに


起きた時には忘れてるんだ、顔も、声も


、


こんな変なこと誰にも言えなくて


、


A「翔ちゃん！」


S「おはよ」


同じような気持ちを友人たちにも思ったことがあった


ひとつ下の雅紀は、中学の時に初めて会ったんだけど


顔を見合わせた瞬間「あ、俺こいつ知ってる」って思ったんだ


不思議だけど雅紀もそう感じてたみたいですぐに仲良くなった


ただ少し違うのは雅紀は俺に「無条件にあなたに従います」というスタンスでいたこと


それに俺は違和感を感じなかったし、雅紀もそれが普通だと言っていた


もちろん雅紀のとこを無下に扱ったりはしなかったけれど。


そしてあと二人


ふたつ下の潤とカズ


雅紀より遅れて１年後に出会ったふたりにも同じような気持ちを持っていた


あちらもそうだったみたいで、雅紀のときと同じようにすぐに仲良くなれた


そして雅紀と同じように「無条件にあなたに従います」という空気を出してきた


だた違うのは…


N「ちょっと翔ちゃん、また寝癖」


J「少しは鏡見てよね」


S「…だって眠いんだもん」


言葉は悪いけど「お世話係」みたいな立ち位置にいるような気がすること


、

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