京谷賢太郎 ページ5
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「ほい、」
ひとり体育館の壁にもたれ掛かって休んでいると、冷たいモノが頬に触れた。
声の聞こえた方へ目を向ければ、そこには屈んで微笑んでいる__Aセンパイ。
「あざっす」
スクイズを受け取ろうとすれば、それはひょいっと、取り上げられて
「ねぇ、あっちで休まないの?」
二年生が集って休憩している方に向けられる。
思わず舌打ちを零した俺に、Aセンパイはやれやれ、と呆れた様に笑って
俺の隣に腰を下ろした。
「別に、強制させようってわけじゃあないんだけどさ」
俺のスクイズの蓋を、開けたり閉めたりして、忙しなく弄っているAセンパイ。
スクイズに向いていたふたつの視線が、同時に交わって
「チーム、でしょう?」
真剣な瞳で、見つめ返される。
きっと、“めんどくさい”だとか“だるい”だとかの類の気持ちが浮かんでいるだろう、睨むような俺の瞳を
Aセンパイは、逸らしもせず
「三年はもう、あと数回で引退する。青葉城西高校バレー部を、二年が引っ張っていかなくちゃあならなくなる」
「折角、少し溶け込めてきたのに」
「また、京谷は逃げるの?」
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おしるこぉ - あ”ーもう涙腺のゲシュタルト崩壊……(※私は感動しています) (2018年12月6日 13時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
朱羅*ゆうねぇ*(プロフ) - 普段の何気ない日常みたいな、仲良しのシーンから涙が、、、最近はモブインとかクソインとか、話は面白いしそういうのも好きなんですけど…やはり原作のように仲良しでいて欲しいと思いました。とても面白かったです! (2017年1月17日 20時) (レス) id: 1f4c6477ad (このIDを非表示/違反報告)
花咲舞香(プロフ) - とても素敵な作品ありがとうございます。皆様それぞれの文章がとても綺麗で引き込まれました。青城はとても温かい高校だと再確認でき、更に好きになりました。これからも頑張ってください。応援しております。 (2017年1月16日 21時) (レス) id: 3dbe743b4d (このIDを非表示/違反報告)
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