鶯色の神隠し【刀剣乱舞】 (ページ11)

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11.優しい人ページ11

一期「＿＿鶯丸殿！鶯丸殿いるのでしょう…！」

鶴丸「おーい、いるならさっさと開けろー」

聞き慣れた声に障子戸を開けると、案の定の2人が立っていた。

鶯丸「こんな時間に何の用だ。」

お茶の時間はとっくに終わっているはず。

一期「何って…！主のことです！」

鶯丸「え……？」

一期「鶯丸殿が去ったときから、主はずっと泣いておられる。さっきだって……鶯丸殿の分のお茶を何度も入れ替えて待っていたというのに…！貴方という人は…！また主が泣いてしまわれたではないか…！」

鶴丸「こっちが見てられないから早く何とかしてくれよ。」

鶯丸「………」

主が

俺のせいで…

一期「私たちの大切な主をこれ以上泣かせる気なら私が貴方を切りますから！！では…！」

一期はそう言ってピシャリと障子戸を閉めた。

＊

＊

＊

A「……お茶の道具、片付けなきゃ。」

洗面所で顔を洗っても、赤い目元は元には戻らなかった。明日になってもこのままだったらどうしよ…。皆心配するだろうな。

私は茶の間に戻ろうと、洗面所を出た＿＿

鶯丸「＿＿＿主…！」

A「……！」

振り返ると、鶯丸が立っていた。

鶯丸「もう寝るのか？」

どんな顔して鶯に向き合えばいいのかわからない…
私は俯きがちに答えた。

A「いえ…、今から茶の間を片付けるところです。」

鶯丸「そうか。＿＿もしよければ、今から俺の部屋で茶を淹れてはくれないか？」

A「＿＿え…っ？」

顔をあげて鶯を見つめる。

すると、鶯は笑顔で言った。

鶯丸「やっぱり主の淹れる茶が飲みたくなった。」

優しい人だ

A「喜んでっ！お茶請けに美味しいお菓子があるんですよ、私の時代から持ち込んだものです。きっと鶯も気に入ってくれます^ ^」

鶯の優しさに泣きそうになったけど、嬉しくて精一杯の笑顔を返した。