1.一級品 ページ1
鶯丸「＿＿＿君の淹れる茶は一級品だな。今まで飲んだ茶の中で一番うまい。」
鶯は私の淹れた煎茶を一口飲むと、ふわりと笑った。
A「＿＿＿え……っ…」
驚いた
鶯丸「なぜ固まる？」
A「あ…！は、初めて言われたので…その…っ…ありがとうございます。」
彼はお茶が好きらしい。だから、
嬉しくて
鶯丸「そうなのか？この茶の味が分からぬとはな…勿体無いな。」
A「私、昔から続いている茶道の家の者なんです。でも私の時代じゃ、人にお茶を振る舞う機会は減り、このようなお茶を好む人自体少ないのです。＿＿＿だから…そう言っていただけて本当に嬉しいです。」
顔が自然にほころんだ。
鶯丸「＿＿君の笑顔も一級品だな。」
A「＿＿＿えぇ…!?あのぅ…一級品…？」
笑顔が一級品ってどういうことだろう…
お茶と並んで一級品ってなんかお茶に申し訳ない気が…！！
鶯丸「ふっ……可愛いと言っている。」
A「＿＿へ…/////？」
思わず間抜けな声が出てしまった。
目の前でにこにこと笑う鶯を前に、私はしどろもどろになった。
A「お、お茶に失礼ですっ…！！…それに、そういう言葉には慣れていないの…だから…えっと…、か、からかわないでくださいぃ…」
うぅ…顔が熱い……
鶯丸「君は実に可愛らしいお嬢さんだな。これから毎日が楽しそうだ。よろしく頼む、俺の新しい主。」
A「主だなんて…貴方のほうが神様なのに…。」
鶯丸「なら、名を聞いても？」
A「あっ…すみません。申し遅れました。名はAといいます。改めてよろしくお願いいたします。」
鶯丸「A……良い響きだ。」
鶯は小さくそう呟いた。
今日この本丸に、新たな刀剣男士がやって来た。
彼の名は鶯丸。 お茶好きなのは私と同じ。
梅の花咲くこの季節
淡く儚い物語の始まり始まり。
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