4.怪我 ページ4
A「えっとぉ……」
いつも決まった場所に隠れるのも、すぐ見つかっちゃうだろうな…よし!
__ガラッ
私は近くにあった2階建ての蔵の扉を開けて中に足を踏み入れた。
A「__けほっけほっ……」
中はとても埃っぽい
A「ここもお掃除しなくてはいけませんね…」
本丸は広いからなかなか隅まで手が回らない。
___ギィ
重い蔵の扉を閉めると、太陽の光は完全に遮断され、真っ暗になった。
???「__おい、こんなところで何をしている。」
突然後ろからの声とともに、私の肩に誰かの手が触れた。
A「き…きゃあああぁっ!!!」
お化けええぇぇ!!!
ごめんなさいいぃぃ
私は驚いてその手を払った。
振り返ることもできず、手すりもない2階へと続く木板の階段を無我夢中に登った。
???「___危ない!!!」
___バキッ!!
その声と階段の木板が割れる音はほぼ同時だった。
___落ちる
私は覚悟を決めて硬く目を閉じた。
___トサッ……
あ、れ……?
痛くない…?
でも確かに階段が壊れて落ちたはず………
恐る恐る目を開ける。
A「___鶯…っ」
落ちた私を鶯が受け止めてくれていたのだ。
私が鶯を押し倒すような形で助かっていたのだ。
鶯丸「主……!怪我はないか!?」
A「だ、大丈夫です…っ!!も、申し訳ありません…!!」
恥ずかしさと情けなさでどうしようもなくなった私は、すぐに鶯から離れようと体を起こした。
A「___っ……」
突如足に走る鈍い痛み
自分の足に目を向けると、白い足袋は血に染まり、コンクリートの上にも赤い血が垂れていた。
鶯丸「……!!主…その足……っ!」
A「__だ、大丈夫大丈夫っ…このくらい何ともないからッ…!!」
平気なふりして笑おうとしたら、鶯が強く言った。
鶯丸「大丈夫なわけないだろ!!その足では立つのは無理だろうな…。__つかまっていろ。」
___ひょいっ
鶯は私を抱き上げた。
蔵の扉が開くと、眩しい光が目に入って痛い。
A「__!!??う、ううぐいす…っ!?下ろしてください歩けますっ!!」
鶯丸「歩けない。」
A「歩けますっ!」
やだ……
こんなの恥ずかしいよ…
鶯「__おとなしくしていろ。」
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