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19.鶯丸side ページ19
鶯丸「…ん……」
障子戸を通して射す光に目が覚める。時計を見るとまだ朝5時だ。
ゆっくりと体を起こすと、額にのせてあったタオルが布団の上に落ちた。
鶯丸「これ……」
昨日より熱が下がったようで、まだぼうっとするものの、少し体が楽になった。
ふと隣を見ると、すぐそばの畳の上に崩れるようにして主が眠っている。
着物の袖からのぞく、白くて細い指は赤くなっていて、そっと手に触れると氷のように冷たくて驚いた。
……！！！
息…してる……？？
もしかして、一晩中タオルを冷やすために氷水に手をつけていたのか…？
A「＿＿＿うぐ…いす……」
鶯丸「＿＿！？」
なんだ…寝言か……
A「……居なく…ならないで＿＿＿」
その言葉とともに、主の瞳から一筋の涙が頬を伝った。
鶯丸「＿＿居なくなるわけ…ない……」
このひとの隣こそが俺の居場所なのだから。
主を引き寄せて起こさないように肩を抱く。
こんなにも細くて華奢な肩なのだ。少し力を入れたら骨が折れてしまうのではないか？
鶯丸「心配かけて悪かった。もう大丈夫…」
指で涙を拭ってやると、表情が穏やかになった。
優しい主のことだ。
きっと誰にでもこんな風に一生懸命なんだろう。
こんな風に心配して、不安で涙を流す。
この優しさが平等であることは普段から見て取れる。
それなのに……
Aを独占したい。
なんて＿＿
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