ジミンの家政婦

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うん、俺はクールキャラなんだ。緊張など似合わない。



19時10分、俺は自宅のドアの前で、震える手を睨みつけながらドアノブを握っていた。行こうかやめようと彷徨っていたら10分も時が過ぎていた。あり得ない。男なら行け。自分にそう言い聞かせてドアを開ける。玄関には女物の小さなスニーカーが可愛らしく置かれていた。

家政婦は今、どこにいるのだろう。リビングに行くが家政婦のリュックが置かれているだけで本人はいない。

キッチンにも寝室にも居なくて、おかしいと思っていたら風呂場から水音が聞こえてくる。きっと風呂掃除をしているのだと、俺は足を風呂場に向かわせた。

そして、脱衣所の前で立ち止まる。彼女と対面するのに躊躇している自分がダサくて、でもなかなか脱衣所のドアを開けることができなくて。葛藤していると、遂に向こう側からドアが開いてしまった。




「わ、わわわわわぁ！！！？？？」




悲鳴にも近い声を上げて驚く家政婦に、俺も釣られて叫声が上がってしまった。それも束の間、家政婦は驚き過ぎて体の重心が後ろにもってかれている。このままだと家政婦は転倒し大変なことになってしまう。



「危なっ、」




自然と体が動いて、彼女の体を支えていた。俺にそんなヒーロー気質な部分があったのかなんて思っている場合ではなかった。触れている、家政婦の体に、俺が。距離が、近い、死ぬほど近い。

その時点で俺が今日しなければならない四つの事は既に頭の内からどこかへ行ってしまっていた。では頭の中には何が残っているか。可愛いが5割、襲うな抑えろ頑張れパクジミンが5割である。

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