理性を脱がせて【JM】

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「あ、ここじゃない？」




着いたのは、暗闇の中でぼんやりと光るひとつの扉。

木製の扉には、バーの名前らしきものと、OPENと掘られた木の彫刻が垂れ下がっていたり




「wdta…? あ、バーって書いてあります！」



「なんか、オーラがすごい…」



「入ろ入ろ！」




私たちは好奇心にかられて、わくわくしながら扉を押した。

そこに広がっていたのは、白と黒で統一された飲み場と、背景にある沢山のお酒だった。

おしゃれな空間にぽつんと、グラスを磨いている店員さんが私たちを見る。




「いらっしゃいませ」




そう言いながらグラスに視線を戻した。

店内には誰もいない。私たち4人はカウンターに横並びで座った。

1人が小声で話しかける。



「…すごいかっこよくない？」


「バーテンダーなんですかね？」


「呼んでみようよ！マスター！」




あちらで盛り上がっているのは上の空で、私は無数のお酒の列をぼーっと眺めていた。

…なんだか、こういうのを見るのってわくわくする。




「僕はバーテンダーじゃなくて見習いです。バーテンダーは、今はあっち」



「へえーそうなんですね！」





会話が弾んでいるなか、隣にいるユリちゃんが私の方を見て、ニコッと笑った。

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