だから。【HUNTER×HUNTER】【キルア】 (ページ7)

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｢申し訳ございません、ただいまキルア様はお出かけになられています｣

広間に行くと電話に答える執事の声が聞こえた。
どうやら相手はキルア=ゾルディックに用があるらしい。

あ、もしかして。

｢すみません、その電話代わってもらえますか？｣

｢はい｣

｢ありがとうございます｣

キルア=ゾルディックの婚約者というだけで執事はあっさりと言うことを聞く。きっとゾルディックでは執事がなにか意見を述べることはそれなりの理由を持たなければいけないのだろう。

｢もしもし、あたなキルア=ゾルディックの友人？｣

『うん！そうだけど、君だれ？』

声は思っていたよりも高くて、なんかいい人そうというのが感想。

｢私はA｣

『オレはゴン！あ、きみもキルアの友達？』

｢うん、そう友達なの。だからきみとも会ってみたい｣

自分はキルアの友人だと嘘をついた。本当は婚約者であることを隠すのは単にあいつのことが気に入らないからである。

きっとゴンとやらは"良い人"なのだろう。でなければあの性格に付き合えるわけがない。

『もちろんいいよ』

｢よかった、ありがとう。じゃあ30分後ホエグ街のハンバーガー屋でどう？｣

『わかった！』

じゃあまた、そう言って電話を切る。

前にあいつが今度友達と遊ぶと言ってご機嫌な様子を思い出した。今度、とはきっと今日だったのだろう。しかしキルア=ゾルディックは用が長引いているのかまだ帰ってきていない。

遊ぶ約束をしたということはゴンは多少は近くにいるのだと思ったAは30分後という提案をした。ホエグ街を指定したのはただ自分が行きたかっただけだが。

｢これで少しは聞き出せるかも｣

聞き出すというのはキルア=ゾルディックの弱味のことだ。先日にした殺る宣言、ただ口走ったのではなく本気で考えていたのだ。

数少ない友人。きっとなにか知っているに違いない。

よし、殺ってやる。