だから。【HUNTER×HUNTER】【キルア】 (ページ5)

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だめだ、ここで反発したらそれこそ相手の思うつぼじゃないか。落ち着け落ち着け。

「今だってその足りない頭でなにか考えてるみたいだけどなにかいい案浮かんだ？」

「……結婚、あんただって承諾したんでしょ？だから私がここに来てるはずなの」

キルア・ゾルディックの話を無視して先ほどの言葉に持った疑問を投げかける。

「あぁ、それね。ノルールって有名な暗殺一家だろ？うちほどじゃないけど、どんぐらいなのかなって思って」

けどさ……。続けて口を開く。

「思ったほどじゃなかっていうか、それ以上に期待ハズレ。もしオレ自体に惚れてたなら悪いけど、オレ、自分より弱いヤツ興味無いよ」

ぷつん、と音がしたような。

とにかく私の中にどくどくとなにかが湧き上がってきて、首に当てられた凶器と化した手に自分の手を当てる。

つーっと血が流れてそれはキルア・ゾルディックの白く透き通るような肌にも色をつけた。

「なにしてんの？」

構わない。

とくとくと流れる血を気にせず無理やりでも手を首元から離す。

より腕に力を入れる。

相手は男、力が女より強いのはよくわかってる。
でもそれは一般人の話であって一般人の枠を越えた私には関係ない。

向こうだって枠を超えててもそれでも私の方が上だと自信がある。

その自信が本物だと言うようにみるみる離れていくやつの腕。

そして腹に蹴りを入れると思い切り体を捻って拘束を解く。

「なんだ、少しはやれんだ！」

少しびっくりした顔に腹が立つ。

寒い。

まるで冬の海に飛び込んだかのように冷えた体を動かして屋敷の中へと行こうとするが途中で足を止めて振り返る。

腹が立つ。腹が立つ。

「誰がお前みたいな自意識過剰のつり目クソ男と結婚するか！まず好きじゃないし！！お前を殺すためにこんな気味悪い屋敷に来たんだよ！

殺してやる！」

怒鳴り散らした私に本日二度目のやつのびっくり顔が向けられた。

くるりと方向をまた変えて部屋へ帰ろうと足を進める。