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「…まってどういう状況」
「…」
首元には刀が押し当てられている。しかもその手はフェイタンのものであり、刀は今回の獲物である“春暁”。いったいどういうことなのかAには理解できなかった。
意識がもう一人と交代している間Aには記憶が残らない。そのおかげでこれまでも面倒に巻き込まれていた、なんてことはよくある話だった。
しかし今はどうだ、仮にも仲間である者に刃を向けられているなんて。
「なにしたのあんた」
『フェイちゃんは愛情表現が殺すことらしい』
「まぁ、ありえなくもないけど答えになってなくない？」
「黙れ」
数秒、視線が絡み合う。見つめ合っていると言えば聞こえはいいのかもしれないが、Aにとってはそんなロマンなものではなかった。
逸らせば殺される、そう脳内で警報が鳴っている。
息が詰まるような沈黙を破ったのはフェイタンの舌打ちだった。不本意そうに刀を下すとそれを柄にしまい外へと出ていく。
フェイタンの苛立ちが、殺気が、自分に向けられたものではないことがAにはわかっていた。
自分であって自分でなはない。もう一人にだろうか？
フェイタンのこともわからないが、なんだか自分のこともわからないように感じてきてため息をつく。
＊
「はは！それはとんだ災難だったな」
「フィンクス笑わないで！本当に殺されるかと思ったんだから」
「焦らずともいずれ殺してやるね」
その後フィンクスとも合流し帰りの道中でフェイタンに刀を向けられたことを話していた。
お前ら飽きねぇな、と一種の喧嘩に捉えているようだがそんな可愛いものじゃないとAは必死に訴えている。
「そういえばAが頭やったんだろ？抜け駆けしやがって」
フィンクスはそういうとAの頭をぐりぐりと拳で痛めつける。
「いやでもそんな強くなかったよ。年寄りにしては頑張ってたけど」
「…お前あの老婆どうやて倒した。見たとき致命的な傷はなかたね、能力か？」
「あー、あれね」
Aは、怒りが収まりフェイタンから自分のことを聞かれるのが何となく嬉しくなる。
だからなのか、普段なら聞かれても答えない能力についてなんの躊躇もなく晒し始めた。
「フィンクス右腕かして」
「おう」
フィンクスは右腕を出すとそこには傷があった。先ほどの戦闘で負ったものだろう、深く斬られている。
するとAはその傷に手を撫でるように這わせ始めた。その手つきは優しく、まるで割れ物を扱うかのように。
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スケブ(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます！私もフェイタン大好きなので書いていて楽しいです(*^^*) 更新がんばります！ (2020年6月8日 12時) (
レス) id: 1a6288e1fa (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すごくお話面白かったです！フェイタンめちゃくちゃ好きなので読んでてニヤけました笑笑更新頑張ってください！楽しみにしてます。 (2020年6月6日 17時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - フェイタンがかっこよすぎてもう最高です！戦闘シーンありがとうございます！！！声の正体が誰なのか、蜘蛛と絡んでいく主人公(*・ω・*)wkwk フェイタンとの再会が楽しみです！更新待ってます！ (2017年11月5日 10時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
スケブ(プロフ) - アキス(*´∀｀)さん» 返し遅くなってすみません。そう言ってくださるととても嬉しいです！更新頑張ります^^* (2016年9月3日 13時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
アキス(*´∀｀)(プロフ) - スケブさんの話好きでさァ！もう一つのクロロの話も見やした！コメントはしてないですが…これからも更新頑張ってくだせェ…応援してやす(*^^*) (2016年9月1日 22時) (レス) id: a4bbb9d3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スケブ | 作成日時：2016年8月3日 20時
