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「トウバ一族はジャポンで平穏に暮らしてると思ってたんだけど。それに前はこんな野蛮じゃなかったし。どうせ殺されるんだから答えてくれてもいいだろ」
「…ジャポンで我々は生きられないと判断したからだ。妖刀の力は徐々に弱まっている、妖刀の弱りは我らの弱り。あの妖刀の力の源は人の血でね、つまり殺しをしなきゃなんだよ。ジャポンよりもこちらの方が殺しはしやすい、ただそれだけさ」
お前さんにはわからんだろ、そういって老婆は鼻を鳴らした。外の騒がしさが小さくなってきている。
全員、我が子同然であったものたちがもう大分やられてしまっているとわかると胸が痛んだ。
完全に諦めだ。
「安心しろ、ガキを何人か外に逃がした。あいつらがうまくやれば血は途絶えず一族はまた復活する」
老婆はわけがわからないという顔をする。
「同情はよしな若造」
「同情じゃねぇ、救いだ。あんたは殺すけどな」
そういって苦無を押し当てる力をさらに強めると先端に色付く赤色が痛みを強調させる。
老婆はもう意識が薄れかかってきていた。手を加えずとも直死ぬ、そんな状態のなか力ない声で先ほどと同じ質問をする。
「…お前さん、何者だ」
「その答えはな…」
次の瞬間、老婆の首が宙を舞い血しぶきが起こった。
それと同時に痛いほどの殺気を受けるとそれがすぐにフェイタンの仕業であると理解する。
「なにやてるね」
「気づかなかった、いたんだな」
老婆の話に夢中になってフェイタンの存在に気づけなかった。フェイタンもおそらく絶をしていたに違いない。いったいどこから聞かれていた。
フェイタンは床に転がった老婆の首を蹴ると後ろに置かれていた刀を手に取る。
「お前、もう一人か」
刀を鞘から抜いて空を切る。切れ味は良さそうね、そう呟くとAのほうへ視線をずらした。
フェイタンにやられる前に、と思いAは笑顔を見せひらひらと手を振った。
「じゃあな、フェイちゃん」
「まつね」
フェイタンは苛立っていた。外の戦闘が大方片付いてAを追うとそこにはAではなくもう一人がいて、さらに意味不明な会話をしている。
トウバ一族だとか、ガキを逃がしただとか。後者に関しては意味どころか理解もできない、苛立ちを増させるものだった。
そしてなにより癇に障るものは、最後の老婆の問いへの答え。
＿＿＿＿＿あんたと同じだよ。
いったいどういう意味なのか。
何一つ理解できない謎に包まれているAに腹がったって仕方がなかった。
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スケブ(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます！私もフェイタン大好きなので書いていて楽しいです(*^^*) 更新がんばります！ (2020年6月8日 12時) (
レス) id: 1a6288e1fa (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すごくお話面白かったです！フェイタンめちゃくちゃ好きなので読んでてニヤけました笑笑更新頑張ってください！楽しみにしてます。 (2020年6月6日 17時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - フェイタンがかっこよすぎてもう最高です！戦闘シーンありがとうございます！！！声の正体が誰なのか、蜘蛛と絡んでいく主人公(*・ω・*)wkwk フェイタンとの再会が楽しみです！更新待ってます！ (2017年11月5日 10時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
スケブ(プロフ) - アキス(*´∀｀)さん» 返し遅くなってすみません。そう言ってくださるととても嬉しいです！更新頑張ります^^* (2016年9月3日 13時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
アキス(*´∀｀)(プロフ) - スケブさんの話好きでさァ！もう一つのクロロの話も見やした！コメントはしてないですが…これからも更新頑張ってくだせェ…応援してやす(*^^*) (2016年9月1日 22時) (レス) id: a4bbb9d3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スケブ | 作成日時：2016年8月3日 20時
