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明らかに様子がおかしくなったフェイタンと口で言う割に逃げる気がしない女に団員たちは状況を理解するのが少し難しいと感じていた。
｢失礼｣
そういってパクノダが女に触れると状況を理解したのか、なるほど、と呟いた。
｢能力か？｣
｢ええ、フェイタンとやり合った記憶を見たけど多分それと同じものね。自分の痛みを能力の対象者と共有する能力。この子のさっきの言い方からすると死も共有するんじゃないかしら｣
｢わかたなら早く解除法見つけるよ｣
｢探してるわ、探してるけど｣
｢どうしたの｣
フェイタンの探せという声に険しい顔をするパクノダをマチが不思議に思い声をかける。
｢他に記憶が見つからない。見えたとしても断片的なものでよくわからないわ。…なにこれ、花？｣
｢ちょ、そこらへんは恥ずかしいから見ないで。記憶を探るとかレアすぎる能力でしょ、かっけー｣
パクノダが見たものがなんなのかはわからないが、フェイタンの言う別人のようなオーラやデメリットの方が多い能力、探ることの出来ない記憶。
団長のクロロは興味を唆られる他なかった。
そして一言。
｢蜘蛛に入るか？｣
驚いた表情を見せたのは女以外の団員たちだった。
｢団長、冗談にも程があるね｣
｢そう苛立つな｣
クロロもただ興味が出て面白いと思ったから勧誘した訳では無い。
ウヴォーギンが抜けた今、フェイタンとやり合う程の強さとこの状況に怯まないこの女なら何とか穴を埋められるのではないかと考えていた。
｢団長がいいなら｣
｢同じく｣
｢反対ね｣
マチとパクノダはクロロが言うなら、という意見に対し反抗的なフェイタンは今すぐにでも女を殺したそうにしているのを見てクロロは袖口からコインを取り出した。
団員同士のマジギレ禁止。
｢裏ね｣
｢表｣
コインは弾かれ宙に舞う。2分の1の確率で自分は女を殺せる。
ぱちん、と手の甲に捉えられた。
ゆっくりと手をどかすクロロ。焦らしているのか。
｢表だ｣
｢…チッ｣
表を出すコイン、満足そうなクロロの表情と対称的なフェイタンの嫌そうな顔。
｢まあ本人の意思次第なんだが、どうする？蜘蛛に入るか殺されるか｣
＊
考えても、何が最優先かって命に決まっている。生かさなければならない。自分は、この体を。
今一番殺される相手としたらこの蜘蛛、特に細目の男だろう。蜘蛛に入ることが一番安全ならば…
｢いいよ、入る｣
そういって意識を手放した。
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スケブ(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます！私もフェイタン大好きなので書いていて楽しいです(*^^*) 更新がんばります！ (2020年6月8日 12時) (
レス) id: 1a6288e1fa (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すごくお話面白かったです！フェイタンめちゃくちゃ好きなので読んでてニヤけました笑笑更新頑張ってください！楽しみにしてます。 (2020年6月6日 17時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - フェイタンがかっこよすぎてもう最高です！戦闘シーンありがとうございます！！！声の正体が誰なのか、蜘蛛と絡んでいく主人公(*・ω・*)wkwk フェイタンとの再会が楽しみです！更新待ってます！ (2017年11月5日 10時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
スケブ(プロフ) - アキス(*´∀｀)さん» 返し遅くなってすみません。そう言ってくださるととても嬉しいです！更新頑張ります^^* (2016年9月3日 13時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
アキス(*´∀｀)(プロフ) - スケブさんの話好きでさァ！もう一つのクロロの話も見やした！コメントはしてないですが…これからも更新頑張ってくだせェ…応援してやす(*^^*) (2016年9月1日 22時) (レス) id: a4bbb9d3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スケブ | 作成日時：2016年8月3日 20時
