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『変な意地張ってないで替わろうぜ?』
「絶対ヤダ」
「どうせ頭の中の奴にも替われて言われた、違うか?」
自信ありげにハッと笑うフェイタン。
もちろん奴の声はA以外に聞こえない、しかしまるで聞こえたかのように図星をついてきたフェイタンは大分Aのことを分かってきた気でいてそれ故の発言だった。答えは大正解だ。
「まぁ、さっきは止めなかったけどその辺にしとけよ。目的は刀なんだからよ」
そう間に入るフィンクス。
しかしもとはといえばフィンクスがしつこくしたのがフェイタンに火をつけさせたのではないか、と言いたかったがこれ以上言う気にもなれなかったうえ、本当にフェイタンとやりあいたくなかった。
たとえそれが向こうにとって戯れだとしても、それは元々命の扱いが戯れに分類されているからであることをAはわかっていた。
「命拾いしたね」
「それはフェイタンでしょ」
本当に気が抜けない。
*
「ほんとにここ?」
「間違いねぇ」
「思たよりも質素ね」
団長のクロロが盗ってこいという宝の刀があるのだから活気づいた場所で厳重に保管されているのかと思っていたが、3人の予想は外れたらしい。
目的地である集落につくと3人は躊躇いもなく堂々と入り口からはいった。普通なら外から様子を見て作戦を立てたりするのだろうが、常人離れしたAたちにとってそれは不要なことだった。
しかし集落を見渡しても人一人いなく、堂々と正面から入れてしまうセキュリティの無さ。
「失礼だねフェイタン。私はこの雰囲気好き」
「誰もお前の好み聞いてないよ」
集落には生活感はあるものの、人の気配は一切しない。そしてその“一切”というところが余りにも不自然なことだった。人がいたのは確かなのに気配はゼロ。
まるで“絶”を使っているかのように。
そうとなれば相手は十中八九、念の使い手だろう。しかも大勢。
これはフェイタンとフィンクスにとっては殺しがいのある嬉しいことだった。
「警戒されてんな」
「刀盗りに来たてわかればきとでてくるね」
「あなた方の大切な刀盗りに来ましたー」
フェイタンのアドバイスに従ったAの声が集落に響く。
そんな簡単にでてくるか、とフィンクスが苦笑したが、Aの効果か、陰からよろりと長身の男が出てきた。思わずまじか、とフィンクスが声を漏らす。
「貴様ら、我らに手を出したこと後悔させてやる」
『うける』
余りに空気を読まない笑いが頭に聞こえた。
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スケブ(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます!私もフェイタン大好きなので書いていて楽しいです(*^^*) 更新がんばります! (2020年6月8日 12時) (レス) id: 1a6288e1fa (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すごくお話面白かったです!フェイタンめちゃくちゃ好きなので読んでてニヤけました笑笑更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年6月6日 17時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - フェイタンがかっこよすぎてもう最高です!戦闘シーンありがとうございます!!!声の正体が誰なのか、蜘蛛と絡んでいく主人公(*・ω・*)wkwk フェイタンとの再会が楽しみです!更新待ってます! (2017年11月5日 10時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
スケブ(プロフ) - アキス(*´∀`)さん» 返し遅くなってすみません。そう言ってくださるととても嬉しいです!更新頑張ります^^* (2016年9月3日 13時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
アキス(*´∀`)(プロフ) - スケブさんの話好きでさァ!もう一つのクロロの話も見やした!コメントはしてないですが…これからも更新頑張ってくだせェ…応援してやす(*^^*) (2016年9月1日 22時) (レス) id: a4bbb9d3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スケブ | 作成日時:2016年8月3日 20時