メリーゴーランド３ (ページ9)

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もういいよ、って、
ほんま会うたびに素っ気なあ言われるねん。

俺は少しでも顔見たいから、
会いに行ってるだけやのに。

毎日の電話では、
楽しそうに話してくれるし、
嫌われてはないと思うねんけど。

嫌われてはないって、
彼氏やのに、なんという次元の低さ。

すっかり自信喪失中。

外は、折しも雨。

まるで俺の心を映してるみたいや。

いうか、梅雨入りしただけやけどな。

最後の講義が終わってから、
机に突っ伏したまんま、
どう誘うか、めっちゃ考えてる。

Aの好きなところに連れてってやりたい。

それに、誕生日も、まだ祝えてないやん。

ずっと胸に引っかかってた。

もうだいぶ過ぎてもうてるけど。

「どこに誘えば来てくれんねやろ」

つい心の声が出てもうてた。

「神ちゃん、全然あかんやん。
任せとけ言うてたくせにさ。
やから俺、自分でなんとかするわ」

シゲが立ち上がって宣言してる。

「俺かって、何とか出来るもんなら、
何とかしたいわ」

あかん。

つい弱音が。

「な？
Aちゃんて、変わってるやろ？
俺の言うた通り」

シゲが得意げに言うてる。

変わってる、って、
ひどい言い草や。

前は、つかみどころないって、
もうちょっとオブラートに包んだ言い方してたやん。