メリーゴーランド３ (ページ5)

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この顔、反則や。

「分かった？」

優しい聞いたら、
うなづいてくれた。

何回か、Aの手に、
俺の手が偶然触れた。

偶然ちゃうか。

タイミング計ってたから。

「これ、邪魔やな。
手ぇ、繋ぎたい」

もうはっきり言うてまおって。

A、びっくりした顔してる。

しばらく迷っててさ、
その間に信号青になってもうた。

「はよ、ここ短いんやろ」

言うたら、慌てて左手にカバン持ち替えてくれてん。

ヤバ。

嬉し過ぎて、心ん中でガッツポーズしてた。

でも、A、めっちゃ緊張してるみたい。

ちらちら俺を見て、
すぐに目をそらす。

迷ってる指先、探るように、
そっと取った。

ただ手を繋いだだけやのに、
胸がじんてしてる。

照れくさい。

近付けたよな？

ほんまはもう、一足飛びに、
本物の彼氏になりたい。

桐山さんよりも誰よりも、
Aのそばにいきたい。

アパートの前でバイバイ。

寂しいて、たまらん。

すぐまた会う約束したらええだけやのに。

「ありがと。
ごめんね」

別にAのアパートと俺の住んでる学生寮、
歩いて１０分もかかれへんのに、
めっちゃ遠慮するから。

「謝らんでええねん。
俺が勝手に来てんし。
彼氏やねんから、
これからは、もっと頼って欲しい・・・」

言うとく。