メリーゴーランド３ (ページ39)

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１主人公Side ページ39

ASide

もうすぐ神山くんの誕生日。

みなみがどうしても行きたいお祭りがその日にあるから、みんなで行く事に決まってる。

楽しみだけど、
プレゼント、何がいいか、
全然、分かんない。

ついでに万年金欠。

私の誕生日にって、
神山くんが、浴衣をくれたんだ。

一緒に買いに行こうって誘われた時は、
すっごくびっくりしたし、
高そうでもらえないって思ったけど、
二人で選んでる時、楽しかったな。

自分の好みよりも、
神山くんの好きなのにしちゃった。

今も部屋の壁にかけてある。

この浴衣を見てるだけで、幸せな気持ちになるんだけど、
すぐに、
じゃあ、神山くんの誕生日はどうしようって問題に行き着いちゃう。

「どうしよう・・・」

決められない私に、
みなみがアドバイスをくれる。

「神山くん、手作りに弱いらしいよ。
しかもそんなに高価でないやつ。
女のコらしい、分かりやすいの」

重岡くん情報だから確実だって、
やけに自信ありげに言うの。

多分、神山くん本人に聞いてるの。

なんとなく分かる。

「だから、シルバーアクセとか、
ペンケースとか、作ってあげたら、
イチコロだよ」

イチコロって。

みなみって、たまに昭和っていうか、レトロ。

「あっ、もうAにベタ惚れなんだった」

一人で盛り上がって、きゃあきゃあ言ってる。