メリーゴーランド３ (ページ27)

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「神山くん・・・」

俺を呼ぶ甘い声に誘われるように。

少し離れたまんまで、
包むように、キスしてた。

反対側のホームに電車が入ってくるいう、
アナウンスが鳴り響いて、
人が駆け込みでホームに入ってくる気配がして、
慌てて離れた。

A、
川でキスした時はあんなに慌ててたのに、
今は可愛いはにかんでる。

「行こか」

もう大丈夫やんな、俺ら。

他に誰が現れても、
入り込む隙なんか、
与えへん。

大学近くのカフェに着いたらもう、
窓際の奥の席にみんな揃ってて、
最後に残ってる席は、
りえの隣だけ。

「遅れてごめん」

厳密には遅れてはないねんけどそう言うて、
キャップ取って、
空いてた席に座る。

注文取りに来てくれた店員さんに、
ジンジャエール頼む。

めっちゃ暑かったし、結構疲れてるんかも。

身体が甘いもんを欲してる。

A、バイトに直行したけど、
大丈夫かな。

また風邪引いたりせんとええけど。

「神ちゃんも揃ったとこで、
始めよか」

話があるのはりえやのに、
なぜか濱田先輩が仕切ってる。

「・・・あのね。
いかなり本題なんだけど。
前に遊園地のイベントに出た時に、
うちのお父さんが来てて。
３人の事、すごく、気になってるらしいの」