メリーゴーランド３ (ページ23)

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慌てて隠そうとして、
でも、俺につかまってんと、
また転ぶ思ったんか、
うつむいてるだけ。

「つかまっとけよ」

優しい言うて、
俺の着てたパーカー、肩からかけたった。

「・・・ごめんね」

しゅんてしてる。

「ええから。
俺は・・・得したし」

思わず本音が漏れた俺に。

「何が？」

不思議そうに返ってきた。

Aってなんでこない無防備やねん。

他の男にもこうやったら、思うと、
不安でしゃあなくなるわ。

「何がって・・・
好きなコの、その、
・・・見れたら、嬉しいやん」

俺は何言うてんねんな。

A、
それで、やっと意味が分かったみたい。

「やっぱ、見えた？」

不安そうに聞いてくる。

「見てへん。
・・・ちょっと見た。
いや、めっちゃ見たかも」

正直に言う。

彼氏やもん、ええやろ？

これから、もっと、近付いていきたい。

Aが黙ってるから、
不安になってく。

嫌われたないねん。

「A・・・怒った？」

顔、覗き込んでみる。

片手で、俺のTシャツの裾つかんで、
もう一つの手で、パーカーの前を合わせて。

「怒ってないよ。
私が悪いし。
でもびっくりしてる。
神山くんて、そんな事、言うんだ・・・
なんか、イメージと違うから」

そんなん言われてもうて、
ちょっと戸惑う。