メリーゴーランド３ (ページ15)

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俺、自分から誘ったくせに、
なんの準備もして来てないわ。

お菓子と飲み物だけはいっぱい買うて来たけど。

「神山くん、お腹減らない？」

ますばお昼やし、お弁当にしよって。

バスケットの中身は、サンドイッチとおにぎり、
唐揚げにウィンナー、卵焼きもある。

「俺の好きなもんばっか。
めっちゃ嬉しい！」

つい、子供みたいにはしゃいでもうてる。

Aが俺の事、
そんな目で見てるもん。

「美味しい。
A、料理うまいな」

家庭的なコに、俺、弱いねん。

どんどん、好きになってく。

天気が良くて景色も綺麗で、
隣には好きなコがおって、

これ以上ない幸せ噛み締めてる。

フルーツ食べてたら、思い出した。

せや。

みなみちゃんの事や。

「Aみなみちゃんと最近、話したりする？」

前みたいな時間ないんちゃうかなって、
思ったのに。

「うん、
みなみ、しょっちゅう、部屋に来るから」

あっさり返ってきた。

みなみちゃんがめっちゃ羨ましいねんけど。

「なあ、シゲの事、なんか聞いてる？
みなみちゃん、急に態度が冷たあなったやろ？
付き合う前はあんなに甘えてべったりやったのに、
今のが素っ気ないんはなんでなん？
シゲ、めっちゃ悩んでるで」