メリーゴーランド (ページ44)

今日:24 hit、昨日:12 hit、合計:277,641 hit

４３ページ44

途中のスーパーでも、
神山くんとは話せないまんま。

当然、みなみも重岡くんと離れたまんまで、
こんなの初めてで、寂しい。

メリーゴーランドに入ってからずっと、
神山くんたちがそばにいてくれるのが当たり前になってた。

私、自惚れてたんだ。

「ごめんね。
私のせいで、
Aまで神様と話せなくて」

みなみが申し訳なさそうに言う。

手にはちゃっかりアイスクリーム持ってる。

「ダイエットはもういいや。
この際、やけ食いしてやる」

だって。

昨日は何にも食べられないって言ってたから、少しでもみなみの元気が復活して良かった。

みなみは笑ってはしゃいでるのが一番似合う。

濱田先輩が、
みなみに、

「みなみちゃん、俺がそのアイス買うたるわ。
やから元気出し」

妙にカッコいい事、言ってる。

「本当？
濱田先輩、優しい。
もう元気出てきた」

みなみが店中に響くようなおっきな声で言うから、
飲み物のコーナーにいた重岡くんが、
こっちをちらっと見た。

なんだ。

冷たくしてても、
みなみの事、気にしてるんじゃん。

重岡くんの肩を、神山くんが軽く叩いた。

何か話してるけど聞こえない。

そこに、なみちゃんとりえちゃんも加わって、
４人で楽しそうに話してる。