メリーゴーランド (ページ34)

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それに、待ち合わせの時間にはまだ早い。

照史がすぐにこっちに向かって駆けてきて、

「待ち切られへんくて、
迎えに来た」

にこって笑って言う。

「こんにちは。
法学部の桐山です」

神山くんと重岡くんに挨拶した後。

「サークルもう終わりやろ？
はよ行こ」

私の手を引くから、
ほんとにびっくりした。

今まで、こんなに強引な事、なかったから。

「ああ、うん。
着替えるから待ってて」

校舎脇の更衣室に急いで入って着替え。

青のTシャツ脱いだとこで、
りえちゃんが入って来た。

「A先輩、お疲れ様です」

すっごく気まずい。

質素で地味なブラ、見られちゃったよね。

私、りえちゃんに嫌われてると思うんだ。

なんとなくではなく確実に。

「お疲れ様です」

自分より年下なのに、
なぜか敬語で話してしまう。

慌てて、シャツを羽織る。

流行りとか関係なく着れる白シャツが、
私のマストアイテムだ。

りえちゃんも無言で着替え始めた。

今日も気合の入った洋服着てる。

赤と白のボーダーのトップスは、
斬新な袖の形。

またまた目の覚めるような青のロングスカート。

ゆらゆら揺れるゴールドのピアス。

こんなにたくさんの色を合わせて、
おかしくなるどころか、おしゃれに見えるなんて、
凄技。

りえちゃんて、
お嬢様なんだろうな。

着てるものが全部、高価そうだし、
どんな時も堂々としてて、
立ち居振る舞いに品がある。